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 中国の共産党単独政権継続と八重山諸島2040年代危機

  

        2030年までに中国経済のGDPはアメリカを追い越し、2040年までに中国人民解放軍の装備総額はアメリカ軍の装備総額を追い越す可能性が高い。もし仮に、2040年になっても中国本土で共産党単独支配が継続していれば、中国共産党幹部の大半と人民解放軍幹部の大部分は中華人民共和国政府成立百周年の2049年10月1日までに台湾に人民解放軍を進駐させ中国全土の統一を実現するだろう。彼らにとって、百年以上の国家分裂状態は放置できないからである。しかし、軍事制圧すれば国際批判を受けるだけでなく、台湾の民心は離れ、国外の華僑社会からも批判を浴びるだろう。

 

   そのため、台湾の軍事制圧は最後の手段にして、可能な限り台湾に香港のような「一国二制度」の受け入れを呼びかける等の平和的解決を図るだろう。しかし、台湾住民の大多数は簡単には「一国二制度」を受け入れないだろう。台湾側が平和裏に「一国二制度」を受け入れようとしない場合には、中国共産党や人民解放軍は台北政府や台湾軍が抵抗を諦める状況を造り出そうとするだろう。

 

   中国共産党政府が戦わずして台湾民衆を諦め屈服させる最有力の方法は、中国人民解放軍が2040年代半ばまでに八重山諸島を占領する事である。八重山諸島を占領してアメリカ軍の奪回を阻止し宮古島も支配下に収めれば、台湾との地理的関係による軍事的優位と心理的に決定的圧力を台湾側に与えうるからである。特に「みせしめ」効果は大きいだろう。戦闘の巻き添えで多数の石垣市民が死傷するだけでなく、戦闘終了後の中国人民解放軍による占領で尖閣諸島を盗もうとした石垣市民が「教育」名目で中国本土の貧農地帯住民と入れ替えられたりの制裁を受けるからである。それゆえ、中国人民解放軍が八重山諸島を制圧すれば、台湾軍首脳や台湾住民が馬鹿でなければ無駄な抵抗はしないだろう。

 

   2040年代半ばまでには中国人民解放軍は軍事装備総額でアメリカ軍を上回っている可能性が高いので、数年間準備をすれば中国本土に近い八重山諸島占領は可能である。しかも、それだけではない。八重山諸島を占領継続できれば尖閣諸島に中国の官憲が駐留せずとも尖閣諸島は実効支配できる。(逆に尖閣諸島だけの占領を目指すと多大な犠牲が出る。)

 

   さて、八重山諸島占領の効果は、それだけではない。鹿児島から八重山諸島までの対潜用音響探知網・SOSUSに補足されず中国軍の戦略潜水艦が自由に太平洋に出入りできるようになるからだ。台湾だけを制圧しても対潜用音響探知網・SOSUSからは逃れられない事を考えると、この効果は大きい。更に、先島諸島には日本が整備した滑走路が多数ある。それを中国空軍は手に入れれるのだ。

 

   2040年代に中国が八重山諸島を占領してアメリカに海上封鎖される可能性が無いかというと、その可能性は低いだろう。なぜかと言うと、カイロ宣言とグラント元アメリカ大統領の仲裁案があるからだ。もちろん、2040年にはカイロ宣言は約100年、グラント元アメリカ大統領の仲裁案は約160年も経過した骨董モノの古ぼけた大義名分に過ぎない。それだけではアメリカに海上封鎖される可能性は無視できない。しかし、尖閣諸島領有問題が未解決なら、領土紛争での小規模軍事衝突は国際的に見て「頻繁に起きる」事件なのである。中国を海上封鎖すればアメリカ経済も大きな痛手を受けるし、オーストラリアも中国が八重山諸島を占領したくらいで海上封鎖には協力しない可能性が高い。

 

   つまり、中国共産党政府にとって、尖閣諸島領有問題とカイロ宣言とグラント元アメリカ大統領の仲裁案を口実に八重山諸島を含む先島諸島を占領する事は一石四鳥もの効果があるのである。ただし、尖閣諸島を中国に返還しても台湾制圧や戦略潜水艦が探知されずに太平洋に出れる利点から先島諸島が中国人民解放軍に占領される可能性はゼロにはならないが危険性は低減できる。

 

   八重山諸島の住民の方々には、中立的立場に立って、尖閣諸島が本当に日本領なのか考えていただきたい。それを考えるには、目先の損得にとらわれて日本に不利な事を報道したがらない日本のマスコミの報道を受動的に鵜呑みにしていてはダメである。ぜひ、このホームページの [ 尖閣諸島(冊封使航路列島北部)領有問題 ] 項目の記事を真剣に読んでいただきたい。読んでわからない事や、簡単には信用できない事は私に質問するなり地元のマスコミに特集報道を要求するなりされたい。また、石垣市立図書館と国会図書館が回線接続して「図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館」になるよう石垣市に要望されたい。特に、[ 陸軍作成地図も海軍作成水路誌も割譲を示す ] 項目は判り易いし、石垣市立博物館の学芸員や教育委員会の島袋綾野氏に確認すれば大正時代に魚釣島で中国漁船員救助した時に日本が魚釣島の事を「和洋島」という架空名称で中国に通知していた事も確認できるはずである (別記事・[ 魚釣島の事を「和洋島」という架空名で通知した日本政府 ]参照)。


追記:

石垣島等の先島諸島の住民の方には下記の記事も読まれる事を推奨する。

[ 明治以前に琉球の漁民が尖閣諸島で漁をしてなかったと考えられる理由 ]

[ 魚釣島の別名の「ユクン」・「イーグン」の語源が「魚根」だった可能性について ]

[ 沖縄県下の遺跡からの中国銭出土は中国民間交易船による釣魚島発見を示唆する ]

目次

2018年10月25日 (2016年10月11日・当初版は こちら 。)

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浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp