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 中国の共産党単独政権継続と八重山諸島2040年代危機

  

   中国の事を「中華人民共和国」と呼称する中国本土の中華人民共和国政府は、1949年に成立した。しかし、台湾・澎湖・金門・馬祖地域は依然として、中国の事を「中華民国」と呼称する台北政府が実効支配している。過去において、両者は戦闘状態にあった事もあるが、現在は平和的に共存しているように見える。

   しかし、中国という国家の領土が分裂しているのは事実である。もし仮に、2040年になっても中国本土で中国共産党の単独政権体制が続き中国共産党が将来も民主化しないつもりなら、中国共産党幹部の大半と中華人民共和国政府軍である人民解放軍の幹部の大部分は中華人民共和国政府樹立百周年の2049年10月1日までに台湾の「中華民国政府 (台北政府) 」廃止と台湾への人民解放軍の駐留を目指すだろう。その頃には中国本土の人民解放軍の装備総額はアメリカ軍を上回っている可能性が高い。ただし、いくら中国本土の人民解放軍が軍事的に台湾軍より圧倒的優位でも武力制圧は最後の手段で、可能な限り台湾の無血制圧を目指すはずである。台湾を武力制圧すれば国際批判を受けるだけでなく台湾の民心が離れてしまい、海外の華僑社会からも批判を受けるからである。

   その場合、中国共産党や人民解放軍にとっての重要な問題は、台北政府や台湾軍が抵抗する可能性がある事である。そのため、中国共産党や人民解放軍は台北政府や台湾軍が抵抗を諦める状況を造り出そうとするだろう。最も軍事的・心理的に効果があるのは事前に八重山諸島を占領し、そして、アメリカ軍が奪回できないもしくは奪回しない事を見せつける事である。そうすれば、台湾は「四面楚歌」状態を実感し、台湾の独立派は海外に逃避して台湾を無血制圧する可能性が格段に高まるからだ。尚、八重山諸島制圧では死傷者が発生しても異国人の死傷者であるので、八重山諸島占領作戦で日本側軍民の相当程度の死傷者の発生は中国共産党や人民解放軍にとって想定内であろう。

   しかし、台湾を無血制圧するための手段として日本の八重山諸島を占領するのは重大な国際批判を浴びるのは明白である。もし仮に日本の八重山諸島を占領しようとするならば、大義名分が必要である。カイロ宣言とグラント元アメリカ大統領の仲裁案である先島諸島の中国への引渡し案は一応は大義名分にはなるが、2040年にはカイロ宣言でも百年近く経過しておりグラント元アメリカ大統領の仲裁案は約160年も経過した骨董品のような大義名分である。それだけで八重山諸島を占領すれば厳しい国際批判を受ける可能性がある。しかし、尖閣諸島の領土問題が未解決ならば、領土紛争の結果として八重山諸島を占領したとなれば、領土紛争での小規模な軍事衝突は「よく起きる紛争」として国際的に認識され国際批判も少ないであろう。

   つまり、2040年になっても中国本土で共産党単独政権が継続し、かつ、日本が尖閣諸島を中国に返還せず日本領だと主張し続ければ、領土紛争の小競り合いとして八重山諸島が中国人民解放軍に占領されるリスクが高まるのである。ただし、日本が尖閣諸島を中国に返還しても、台湾を無血制圧するには八重山諸島占領が有利なので八重山諸島が占領されるリスクはある程度は残るだろう。

   八重山諸島の住民は、中立的立場に立って、尖閣諸島が本当に日本領なのか考えていただきたい。それを考えるには日本に不利な事を報道したがらない日本のマスコミの報道を受動的に鵜呑みにしていてはダメである。ぜひ、私のホームページの [ 尖閣諸島(冊封使航路列島北部)領有問題 ] 項目の記事を真剣に読んでいただきたい。読んでわからない事や、簡単には信用できない事は私に質問するなり地元のマスコミに特集報道を要求するなりされたい。


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2016年10月11日

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浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp