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 火星12・14がステルス(電波吸収)塗装されている可能性

 

   北朝鮮軍はステルス(電波吸収)塗装する事を励行しているそうである (注1) 。また、自衛隊のレーダーは北朝鮮のミサイルの捕捉が不完全である疑いが濃厚である (別記事・[ 北朝鮮の弾道ミサイルを十分にレーダー捕捉できていたのか? ]参照) 。日本で市販されている電波吸収塗料 (ステルス塗料) は周波数によっては反射電波を約10デシベル程度低減できる (注2) ようなので、約十分の一程度に低減できる。仮に、ターゲットとなる周波数が若干ズレていたとして8分の1に低減できれば、レーダー反射波は距離の4乗に反比例するので、探知距離は約6割になる。9月15日に発射された火星12ミサイルは自衛隊の高性能レーダーの上空を飛行したにもかかわらず落下地点について政府発表が当初発表の襟裳岬東方約2000kmから約2200kmに約200kmも変更して修正 (注3-1) (注3-2) された。誤差の大きさから、当初の発表は北朝鮮の軍事境界水域 (注4) のすぐ外側に展開していたの自衛隊のイージス艦レーダーのデータを基に弾道計算で得た可能性が高い (注5) 。

   この事は青森県の大湊基地にあるガメラレーダーと通称される自衛隊の大型の高性能レーダー (J/FPS-5) が水平距離で約600km・高度で約600km・直線距離で850kmの日本海中央の大和堆 (注6) 上空付近でも三次元的詳細データでの捕捉ができなかった可能性が高い。J/FPS-5の本来の探知距離は1000km以上らしいので、おそらく北朝鮮の火星12には電波吸収塗料 (ステルス塗料) が塗布されていたと考えられる。

   尚、高度600km未満でしか補足できねば迎撃高度は300km未満となり、もし仮に北朝鮮が小型水爆弾頭を保有していれば水爆の高高度核爆発による電磁パルス攻撃 (EMP攻撃) の防止は困難となる。もし仮に日本が北朝鮮による水爆の高高度核爆発による電磁パルス攻撃 (EMP攻撃) を受ければミサイル防衛用レーダーが破壊されるため、以後の北朝鮮の核ミサイルの攻撃を防げなくなる。

   さらに、問題なのは、カーボンナノコイル複合材を用いた 高性能電波吸収体 (注7) では20デシベル以上反射電波を低減できるらしいので、20年以内に、その高性能電波吸収塗料を北朝鮮が入手し反射電波を約百分の一未満に低減し探知距離が約3割程度に減少する可能性がある事である。もし仮に、北朝鮮が反射電波を約百分の一に低減するカーボンナノコイルを用いた電波吸収塗料を入手・使用すれば、アメリカも北朝鮮のICBMのEMP攻撃を防げずミサイル防衛用レーダーが破壊されるためアメリカはニュークリア・シェアリング (注8) と引き換えに日本に対する直接の核防衛 (核の傘の直接提供) を放棄する可能性がある。それどころか間接的核防衛 (核の傘の間接提供) となるニュークリア・シェアリングをしていても日本が核兵器を使用可能にするための暗号解除を行なわない可能性も出てくる。


目次

2017年10月31日( 2017年10月15日・当初版は こちら ですが、誤りがあります。 )

御意見・御批判は対応ブログ記事・[ 火星12・14がステルス(電波吸収)塗装されている可能性   浅見真規の雑記ブログ ] でコメントしてください。

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp


(注1) 下記urlのDailyNK Japan(デイリーNKジャパン)記事・“北、ステルス塗料だけの偽装ステルス機と艦艇を配置”参照。

http://dailynk.jp/archives/10290

 

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(注2) 下記urlの中国塗料株式会社のPDF参照。

http://www.cmp.co.jp/library/products/pdf/jp/catalog/evatoron_m.pdf

http://www.cmp.co.jp/library/products/pdf/jp/catalog/evatoron.pdf

 

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(注3-1) 下記urlの首相官邸ホームページ記事・『北朝鮮による弾道ミサイル発射事案について(1)』参照。

http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201709/15_a.html

>7時16分頃に襟裳岬の東、約2,000キロメートルの太平洋上に落下したものと推定されます。

 

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(注3-2) 下記urlの首相官邸ホームページ記事・『北朝鮮による弾道ミサイル発射事案について(2)』参照。

http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201709/15_a2.html

>7時16分頃、襟裳岬の東、先ほど約2000キロメートルと言いましたけども、

>現時点では2200キロメートルの太平洋上に落下したものと推定されます。

 

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(注4) 北朝鮮東岸北東端とロシアとの境界と北朝鮮東岸南東端と韓国との境界を結んだ線分の50海里外側。

下記urlの韓国の中央日報日本語版記事参照。

http://japanese.joins.com/article/930/233930.html

 

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(注5) 仮に落下地点にイージス艦等の観測用の艦艇やAWACS等の航空機がおらず判明している弾道部分から弾道計算で落下地点を推定した場合には火星12の再突入体部分に実戦同様の重い模擬弾頭が搭載されているか否かで飛距離は数十km異なってくるが100km以上は異ならない。よって飛距離を約200km修正したという事は火星12が飛行最終段階で軌道修正していないなら、当初の推測の誤差が100km以上あったという事になる。もし仮に火星12が飛行最終段階で軌道修正したなら、そのような発表をすべきだが、そのような発表は無く、レーダー捕捉が不十分なため軌道計算で大幅な誤差が生じたと考えられる。

 

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 (注6) wikipedia「大和堆」参照。

https://ja.wikipedia.org/wiki/大和堆

 

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(注7) 下記urlの秋田成司・大阪府立大学准教授 著 の 『カーボンナノコイル複合材を用いた 高性能電波吸収体』 PDF参照。

https://shingi.jst.go.jp/past_abst/abst/p/07/14/osakafu602.pdf

 

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(注8) wikipedia「ニュークリア・シェアリング」参照。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ニュークリア・シェアリング

 

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