(注意)で きるだけ正しく有用な記載を目指して書いていますが不正確な点があるかも知れません。実行に当たっては自己責任で御願いします。


インフルエンザ予防 に適した一般人用のマスクの選び方 

[ 品揃えの豊富な薬局で購入される場合は薬剤師さんに相談されるのが無難です。 ]

選び方のポイント

(健康な)一般人(注1)の 通常の使用目的(注2)の新型インフルエンザ予防に適したマス ク選びで大事なのは、くしゃみや咳の飛沫のほとんどを防ぐ性能(注3)フィルターが使われているマスクで、自分 の顔にフィットする大きさ・形状・構造のマスクである事の二点です。(一般用マスク では空気感染(注4)防 止効果は限定的ですが、この二つの条件を満たせば、一般用マスクでも、ある程度の空気感染(注 4)防止効果もあると思われます。)

それから、長時間連続使用する場合やアレルギー体質の場合は耳紐にも注意すべきです。それに、時間あたりのコストも無視できませ ん。(繰り返し再利用を前提として作られているマスクの場合には繰り返し再利用できる事によるコスト低減効果も考慮すべきです。)また、高性能ガーゼマスクは 冬は暖かく喉の保湿効果も高いですが、夏には蒸れて暑苦しくなる事も注意すべきです。


購入上の注意点

流行時にインターネットで購入される場合、出荷がいつになるか注意しましょう。

インターネットでは信頼できる業者から購入される事を勧めます。(特に、ネット・オークションでは粗悪品を高値で販売する者がい るので注意しましょう。)

(有名なネット販売業者のサイトや大手チェーン店の実店舗でも)日本語表記の無い緊急輸入の箱入りのマスクで、しかも、枚数の割 りに箱が薄く、しかも、箱に製造メーカー表記・BFE値表記(もしくはPFE値等フィルター性能に関する何らかの表記)の無いマスクは避けた方が無難です。[枚数の割りに箱が薄いという事はマスクが薄いという事です。]


説明

くしゃみや咳の飛沫のほとんどを防ぐ性能(注3)のフィルターが使われてるかどうか表示されていない場合には、イ ンフルエンザ用、ウィルス用のマスクを選ぶと良いでしょう。フィルター性能の表示が無く単に風 邪用と表示されたマスクは若干性能は落ちる可能性がありますが、大半はくしゃみや咳の飛沫の大部分を防ぐ性能の フィルターが使われていると思われます。ただし、ガーゼマスクの中には風邪用マスクと表示されていてもガーゼのみで高性能フィルターの無いものもあるよう なので注意を要します。(ガー ゼマスクでも高性能フィルター使用とかウィルス用と表示されてるものを選べばインフルエンザの 飛沫感染予防に有効と思われます。尚、花粉専用マスクは避けた方が無難でしょう。)

自分の顔にフィットする大きさ・形状のマスクを選ぶには、まず、パッ ケージの表示でマスクの大きさに関する表示があれば注意してください。そして、立 体型マスクもしくは、ノーズ フィッター(鼻の部分の形に合わせるためのもので、細長くて柔らかい針金のような金属がマスク上部の生地に埋め込まれている事 が多い)が使われているマスクを選んでください。(立体型マスクの場合には、あらかじめ標準的日本人の鼻の形状に合わせて作られてるのでノーズフィッター不 要)

尚、 新型インフルエンザの感染力が増した場合や発症感染者が増加し発症者密度が上昇し空気中のウィルス密度が上昇し た場合や、冬季の低気温場合や、満員電車・満員バスの車内や混雑した閉鎖的空間や新型インフルエンザ感染者の多い病院の待合室のような場所、そして免疫力の無 い人や新型インフルエンザと相性の悪い人や相性の悪い若年の人や呼吸器系の疾患を患ってる人や喉を酷使して喉を痛めた人や、口腔内が不衛生でプロテアーゼ酵素 を出す雑菌が口内に多い人(注5)では飛沫感染だけでなく空気感染(注4)の 危険も考慮せねばなりません。しかし、一般用マスクでは製品の性能や製品の密着性の工夫や顔との相性や装着の上手・下手によって相当の差異はあるものの、 一般用マスクの大多数は空気感染防止効果は限定的であると覚悟すべきです。(ただし、一般用マスクでもフィルター性能だけでなく顔への密着性に特に配慮し た製品の場合には相当程度の空気感染防止効果はあるようです。)

空気感染が問題になる場合には、自分の顔の大きさ・形状に合うN95規格またはDS2規 格以上の高性能マスクが効果的ですが、フィルターの濾過性能の高いマスクは一般的に通気性が悪いので呼吸困難になる場合があります。そのため、N95 規格またはDS2規格以上の高性能マスクを選ぶ場合は医師か薬剤師に相談し着脱方法の指導も受け られる事を勧めます。ただし、将来の強毒性インフルエンザ発生に備えて備蓄される場合は医師のアドバイスを得にくいので自分で調べて選ばざるを得ないかも しれません(注6)


一般人がインフルエンザ予防目的では(できるだけ)購入を避けるべきマスク:

注意:[ マスクが品薄で以下のマスクしか購入できない場合やウィルス用・インフルエンザ用マスクでは呼吸困難なためやむを得ず呼吸のしやすい下記のマスクを購入す る場合には、下記のマスクが感染防止効果が低い事を十分認識してください。 ]

花粉専用マスク

フィルターの無いタイプのガーゼマスク (ただし、ガーゼマスクでも高性能フィルター使用とかウィルス用と表示されてるものを選 べばインフルエンザ予防に使用可能と思われます。)

N95規格以上の高性能マスクであっても自分の顔にフィットせず隙間のできるマスク(フィルターが空気を通しにくいマスクでは隙 間があると隙間から漏れた外気を吸い込み易いため顔にフィットする必要性がさらに高くなります。ただし、N95規格以上の高性能マスクは外気の漏れ込みを減少 させる何らかの工夫がされているようです。)

プリーツタイプやガーゼタイプのマスクでノーズフィッターの無いマスク(新型インフルエンザ発生当時にメキシコで無料配布されてたマスクも ノーズフィッターがなく、メキシコ人には鼻の高い人が多いので鼻付近の隙間がテレビ映像でも見えました。こういうマスクでもマスクしない場合より、くしゃ みや咳の飛沫の直撃を防げるので、マスクを全く持ってなければ無料配布されたら使った方が良いでしょう。尚、立体型マスクの場合はノーズフィッターがなく とも標準的日本人の鼻にフィットするように作られていますので、立体型マスクの場合はノーズフィッターがなくとも問題はありません。)


2020年2月10日 ( 2011年3月27日公開版は こちら。)

目次

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp


(注1) 免 疫力の低下した人や呼吸器系疾患のある人や妊婦や喉の酷使によって喉を痛めた人や口の中を不潔にしてる人(注5)を除きます。

(注2) 満員電車や満員バスへの乗車や院内感染対策のなされていない混雑する病院での順番待ちや感染者の看病のような空気感染の起き易いハイリスクな状況は除外します。

(注3) マスクのフィルターの濾過性能 を示すVFE値またはBFE値が99%以上であれば咳やくしゃみの飛沫のほとんどを防ぐ性能があると考えれます。よって、VFE値またはBFE値が99%以上 が望ましいですが、BFE値が95%以上のマスク(サージカルマスク)であれば咳やくしゃみの飛沫の大部分を防ぐ性能があると考えれます。

尚、マスクのフィルターが、ウィルスの大きさ程度の0.1ミクロン(0.0001mm)の微粒子の濾過性能であるPFE値を示す ものもあります。

ただし、一般用マスクの場合、マスクのフィルターの濾過性能がいくら高くても、顔への密着性が高くない物が多いので空気感染(飛 沫核感染)防止能力は限定的です。

(注4) 空気感染とは、インフルエンザ の場合、くしゃみや咳の飛沫(5マイクロメートル以上)から水分が蒸発して空気中を漂いやすくなった飛沫核による感染で飛沫核感染ともいいます。インフルエン ザ・ウィルスより大きな結核菌では空気感染も多いとされていますが、従来型インフルエンザの感染及び2009年5月中旬時点での新型インフルエンザの感染では稀であると考えられます。

(注5) NHKの番 組「ためしてガッテン」の2009年02月04日放送の「緊急生放送! インフルエンザ最新対策」において「発症率が10分の1に!意外な予防法」とし て、東京都府中市の介護保険施設での週1回の歯科衛生士による口腔ケアによってインフルエンザの発症率が10分の1に激減した事例が紹介され、その理由とし て、以下のような説明がされていました。

 

>なぜ口の中をきれいにしておくと、インフルエンザにかかりにくくなるのでしょうか? 

>メカニズムは次のように推定されています。

>鼻からのどにかけての粘膜はタンパク質の膜で覆われているため、ウイルスはなかなかくっつくことができません。

>ところが口の中の細菌が出す「プロテアーゼ」という酵素が膜を破壊することで、ウイルスがくっつき、

>細胞内に侵入できるようになると考えられるのです。

>口の中には、インフルエンザウイルスの感染を助けると考えられる細菌以外にも、唾液に混じって気道に入り、

>重症の肺炎を引き起こす細菌なども多く住み着いています。そのため、日頃から口の中をきれいに保ち、

>細菌を除去しておくことが、幅広く危険な感染症を予防する対策として有効なのです。

 

(注6) ちなみに、N95規格のマスクの大手メーカーの3M社は一般人への N95マスク販売に消極的みたいでホームページでも一般人には閲覧させないページが存在します。医療用マスクを調べようとすると↓の画像のような画面が表示されます。それでも、私は私なりに調べて、万が一のハイリスク時の使用に備えて 「1870F」というN95マスクを購入しました。(尚、私は大手という事で外国系メーカーのN95マスクを購入しましたが、日本のメーカーのN95マスクの 方が日本人の顔の大きさや形に合うという指摘もあるようです。)

↑の画像は3M社のホームページより引用。