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日清戦争後の水路誌で「台湾北東ノ諸島」の一部とした日本海軍
旧・日本海軍・水路部が、尖閣諸島に関して日清戦争後で最初に刊行した水路誌・『日本水路誌・第二巻・附録』(明治29年7月刊行)では、尖閣諸島の島嶼である「釣魚嶼・尖頭諸嶼 (北小島・南小島) ・黄尾嶼・赤尾嶼」が「台湾北東ノ諸島」の一部とされていた。(この版から中国名が使用された。)
付記:『日本水路誌・第二巻・附録』の2年前の明治27年7月に刊行された『日本水路誌・第二巻』に現在の尖閣諸島の島嶼が記載されていたが、それは参考にした英国の水路誌『The China Sea Directory』が第三巻では中国沿岸に含めていたのに1873年発行の第四巻では琉球諸島に含めていた事に由来すると考えられる。そのため、英国の水路誌『The China Sea Directory』が第三巻に依拠していた『台湾水路誌』 (明治6年刊行) や『寰瀛水路誌・巻四』では台湾側に含めていたのを明治27年7月に刊行された『日本水路誌・第二巻』で日本側に変更したのであるが、明治27年7月は日本の内閣が秘密閣議で領有を決定する以前であり、また、『日本水路誌』に記載されていても外国の島である場合がある事は『日本水路誌・第二巻・附録』のp.126に当時スペイン領だった巴旦列島が記載されている事からも明らかである。
参考資料:
『日本水路誌・第二巻・附録』(明治29年7月刊行)
国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1084055
『日本水路誌・第二巻』(明治27年7月刊行)
国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/847180
『寰瀛水路誌.・卷四』
国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1084219
『台湾水路誌』 (明治6年刊行)
田中邦貴氏のホームページ[尖閣諸島問題]の記事・『台湾水路誌 明治6年』参照
http://www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/senkaku/taiwancoastpilot-1873/
2018年3月8日
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