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公的資料から中国名と英語名を確認する方法
尖閣諸島問題を考察する上で最初の難関は島の名称の問題である。ここでは日本の公的資料から尖閣諸島の島の中国名と英語名の確認方法を示す。
まず、「国会図書館デジタルコレクション」 (http://dl.ndl.go.jp/) で公開されている旧・日本海軍の水路部 (注1-1) (注1-2) 作成の『日本水路誌 第2巻下 (明治41年10月第一改版) 』参照。
ここで、「赤尾嶼 [ Raleigh rock ] 」は「北緯25度55分 東経124度34分」とあるので、国土地理院の「地理院地図」 (http://maps.gsi.go.jp/) で検索すると、
画面左下の「+」をクリックして拡大すると、
位置を示す十文字のカーソルは大正島の南東約1kmの海上となるが、明治時代の測量の精度等を考慮すれば、周辺海域で該当する島は「大正島」のみであるので「赤尾嶼 [ Raleigh rock ] 」は「大正島」に比定 (同定) される。同様にして『日本水路誌 第2巻下 (明治41年10月第一改版) 』p.143の「魚釣島 [ Hoa pin su ] 」は尖閣諸島の魚釣島に比定 (同定) され、「黄尾嶼 [ Ti a usu ] 」は尖閣諸島の「久場島」に比定 (同定) される。尚、「赤尾嶼」・「黄尾嶼」は中国名であるが、「魚釣島」は日本名である。中国名の「釣魚嶼」では日本語の文法の語順から不自然なので明治41年発行の『日本水路誌 第2巻下』では語順変更したものと考えられる。しかし、日清戦争終結後に尖閣諸島海域について最初に発行された水路誌『日本水路誌 第2卷 附録 (明治29年刊行) 』 (http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1084055) p.40-41 及び『日本水路誌 第2卷 附録 第一改版 (明治35年刊行)』 (http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304272) では中国名の「釣魚嶼 [ Hoa pin su ] 」となっていた。
2019年8月24日
(注1-1) 下記urlの国立公文書館による [ アジ歴グロッサリー ] の「水路部」項目の解説参照。
https://www.jacar.go.jp/glossary/term3/0010-0080-0110-0160.html
>水路部は水路の測量、海図の製作、水路誌の編纂、気象や海象の観測など、航海の保安に関することを担った海軍の組織。
(注1-2) 下記urlの海上保安庁の海洋情報部のホームページの記事・[ 海洋情報部のあゆみ(沿革) ] 参照。
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KIKAKU/jhd_history.html