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 [台北政府への提言]:

台湾は国連加盟や復帰より国連海洋法条約「締約国」を目指すべき

 

   国連加盟国の大多数は、台湾が国連活動に参加できなくとも台湾民衆の基本的人権に現実的被害がないと考えている。それが台湾の国連加盟が認められない理由の一つでもある。

   ところが、実は台湾が国際法廷に提訴できないために台湾漁民の権利が侵害されているのである。2004年以降、日本の水産庁は台湾が国際的に弱い立場で国際法廷に提訴できない事を奇貨として台湾漁船を狙い打ちに拿捕している疑いが濃厚だからである。また、日本の海上保安庁は海洋法条約上は「島」であっても無人島で独自の経済的生活を維持できない「岩」にすぎない沖ノ鳥島に海洋法条約に違反して排他的経済水域を違法に設定して国際的に立場の弱い台湾漁船を拿捕したのである(詳細は別項記事参照)

   このため、台北政府は台湾漁民の基本的人権保障のため国際法廷に提訴できるようにすべきなのである。それに付随して、国連海洋法条約に加入して国連海洋法条約「締約国」になる事を目指すべきなのである。ちなみに、国連海洋法条約 (注) は非独立国でも加入でき「締約国」と呼ばれるのである (国連海洋法条約・1条2項(2)、305条1項(e)、307条参照) 。そして、国連海洋法条約の「締約国」になれば国連海洋法裁判所に付託できるのである (国連海洋法条約・附属書VI・第20条) 。 ただし、国連海洋法条約に加入するには国連に「完全な内政上の自治権」を有すると認定してもらわなければならない (国連海洋法条約・305条1項(e)参照) 。

   国連に「完全な内政上の自治権」を有すると認定してもらうためには、北京政府の妨害があれば困難なので、中国の一部である事を明示する名称で加入申請せねばならないだろう。たとえば、「中国領台湾・澎湖・金門・馬祖」とか「中国領東海地区」とかの名称である。さらに、台北政府の支配地域である「台湾・澎湖・金門・馬祖」が中国の一部であって将来も独立しないという誓約も必要であろう。また、尖閣諸島のみならず北京政府と台北政府が共に領有を主張する島嶼や海域について、(勝訴した場合を考えて)漁業・海底資源・軍事管轄・環境保護管轄・海難事故防止管轄等の権利・義務の分配の合意が必要になるであろう。


(注) 国連海洋法条約の日本語訳は下記の東京大学東洋文化研究所 田中明彦研究室HP記事参照。

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19821210.T1J.html


2016年11月5日 (2007年9月29日・当初版は こちら 。)

浅見真規  ( vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp )

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