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職責放棄の罪では引渡不可能です
先月28日、フジモリ氏は日本からペルーに大統領職の辞表を送ったことで「職責放棄」の罪でペルーで起訴されたとのことですが、これはペルーで最高禁固2年の刑(産経新聞HPによる)とのことですので、日本の逃亡犯罪人引渡法(注)第2条3号から引渡不可能です。
また、名実共に国家元首であり三軍の最高司令官である職責の非常に重いペルーの大統領職と憲法で戦争放棄している日本の首相職と単純比較する事はできませんが、( 日本では一般職公務員がストライキの一環として職務放棄すれば有罪になる可能性があっても、)首相のような特別職公務員が職務放棄をしても犯罪にはならないので、日本の逃亡犯罪人引渡法(注)第2条5号から引渡不可能です。
もちろん、不正蓄財(収賄等)・武器密輸仲介・麻薬密輸等に関連する犯罪ならば引渡が可能です。
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(注)フジモリ氏の件でも「逃亡犯罪人引渡法」は、日本人(自国民)不引渡を定めた2条9号以外は有効です。