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旧・海軍作成の水路誌に尖閣諸島だけ所轄も編入も記載無し

 

     明治維新以降、日本は無主の島の先占をしてきた。そして、それらの無主地先占した島や諸島である小笠原群島・大東島・竹島・南鳥島・沖ノ鳥島・新南群島(南沙諸島)は日本の旧・海軍省の外局の水路部 (注1) (注2) 作成の水路誌に所轄(管轄)や編入(領有)の記述がある。しかし、尖閣諸島については所轄(管轄)の記述も編入(領有)の記述も存在しない。この事は尖閣諸島の近代的調査で先行した英国に対しては清朝中国から割譲だと主張する予定だった事 (別記事・[ 英国には割譲で得たと主張する予定だった ]参照) と、日本軍としては日清戦争の戦果である割譲を主張したかったからだと考えられる。

   尖閣諸島について管轄(所轄)・編入(領有)に関する記述の不存在については、一例として、下掲の「赤尾嶼  尖頭諸嶼」(尖閣諸島)の記述のある『臺灣南西諸島水路誌 (昭和16年刊行)』中の 「p.134-135」 「p.136-137」 「p.138」 参照。『臺灣南西諸島水路誌 (昭和16年刊行)』中には新南群島(南沙諸島)の管轄・領有の記述も「p.243」に存在する。

   尚、日本が無主地先占した小笠原群島・大東島・竹島・南鳥島・沖ノ鳥島について記述のある水路誌を下に[ 水路誌における無主地先占記事 ]として示した。その全てが日本全国各都道府県で最低一ヶ所の公立図書館で閲覧可能で、一部はインターネットで自由に閲覧できるので、ぜひ御確認されたい。


追記

   海上保安庁海洋情報部に問い合わせ、2018年5月2日に寄高 (ヨリタカ) さんより回答を得て確認した。


目次

2019年8月24日 (2018年2月27日・当初版は こちら 。)

御意見・御批判は対応ブログ記事・[ 旧・海軍作成の水路誌に尖閣諸島だけ所轄も編入も記載無し   浅見真規のLivedoor-blog ] でコメントしてください。

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp


[ 水路誌における無主地先占記事 ]

 

『日本水路誌・第二巻下』(明治41年刊行)

[大東諸島]:p.102-103:管轄記事「有」

[尖閣諸島]:p.142-143:管轄記事「無」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304288

*****

『日本水路誌・第六巻』(大正8年刊行)

[大東諸島]:p.139:管轄記事「有」

[尖閣諸島]:p.183, p.184-185, p.186-187, p.188:管轄記事「無」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304596

 

*****

『台湾南西諸島沿岸水路誌』(昭和7年刊行)

 

[大東諸島]:p.100:管轄記事「有」

[尖閣諸島]:p.125, p.126, p.127, p.128:管轄記事「無」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304687

*****

『台湾南西諸島水路誌』(昭和16年刊行)

[大東諸島]:p.115:管轄記事「有」

[尖閣諸島]:p.134-135, p.136-137, p.138:管轄記事「無」

[新南群島]:p.243:管轄記事「有」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304688

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*****

『日本水路誌. 第1卷』(明治25年新刊)

[小笠原群島]:p.261-262:管轄記事「有」

[火山列島]:p.276:(明治24年に小笠原群島の属島と定めた旨の記述有り)

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1084053

*****

『日本水路誌. 第1巻(第一改版)』(明治37年刊行)

[小笠原群島]:p.321:管轄記事「有」

[火山列島]:p.338:管轄記事「有」

 

(国会図書館送信参加館にて閲覧可能・・・・・全国各都道府県で最低一ヶ所の公立図書館で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304285

書誌ID:000009131782

 

*****

『日本水路誌. 第1巻(第二改版)』(大正3年刊行)

[小笠原群島]:p.367, p.368:管轄記事「有」

[火山列島]:p.413:管轄記事「有」

[南鳥島]:p.423:管轄記事「有」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304294

*****

『日本水路誌・第一巻(第三改版)』(大正14年刊行)

[小笠原群島]:p.213:管轄記事「有」

[火山列島]:p.226:管轄記事「有」

[南鳥島]:p.229:管轄記事「有」

 

慶応義塾大学の提供によるGoogle-books有り。

 

(国会図書館送信参加館にて閲覧可能・・・・・全国各都道府県で最低一ヶ所の公立図書館で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304315

書誌ID:000000583704

*****

『本洲沿岸水路誌. 第1巻』(昭和9年刊行)

[小笠原群島(含・火山列島)]:p.304, p.305:管轄記事「有」

[南鳥島]:p.331:管轄記事「有」

[沖ノ鳥島]:p.331:管轄記事「有」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304567

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*****

『日本水路誌. 第4巻(改1)』(明治40年刊行)

[竹島]:p.372:管轄記事「有」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304291

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『日本水路誌. 第4巻』(大正5年刊行)

[竹島]:p.58:管轄記事「有」

慶応義塾大学の提供によるGoogle-books有り。

 

(国会図書館送信参加館にて閲覧可能・・・・・全国各都道府県で最低一ヶ所の公立図書館で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304305

書誌ID:000000583706

*****

『本洲沿岸水路誌. 第2巻』(昭和6年刊行)

[竹島]:p.54:管轄記事「有」

 

(国会図書館によるインターネット公開・・・・・自宅で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304563

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『本洲沿岸水路誌. 第2巻・増訂』(昭和15年刊行)

[竹島]:p.55:管轄記事「有」

 

(国会図書館送信参加館にて閲覧可能・・・・・全国各都道府県で最低一ヶ所の公立図書館で閲覧可能)

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10304574


(注1)  下記urlの海上保安庁・海洋情報部ホームページ資料参照。

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KIKAKU/jhd_history.html

>1888年 明治21年 6月27日                  水路部          海軍の冠称を廃し水路部と改称

 

(注2) 下記urlのアジア歴史資料センター・資料の「日本海軍の組織概要」の組織図から「水路部」が海軍の冠称を廃した後も海軍省の外局だった事がわかる。

https://www.jacar.go.jp/nichibei/reference/index17.html