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イージス・アショア配備に対する危惧 

 

    北朝鮮の弾道ミサイル対策として陸上配備型イージス・システム ( イージス・アショア ) の配備が決定しかけているが、以下の5点の疑念がある。

 

(1) 配備に3年以上かかる可能性が高いが、北朝鮮がICBMの開発・保有を阻止するためにアメリカが北朝鮮に先制攻撃する可能性が高いのは今後3年以内であり、当面、北朝鮮が日本を核ミサイル攻撃する可能性が高いのも今後3年以内のため、3年以内に配備できねば有事に間に合わない可能性が高い。

(2) もし仮に、北朝鮮がイージス・アショアを破壊するため弾道ミサイルに1kgのタングステン棒を千本搭載しロケット燃料噴射終了後に緩やかに分離・放出して直径500m程度の散布界で狙い、そして、もし仮に、在日北朝鮮人協力者か北朝鮮軍特殊部隊員が北朝鮮本国に着弾報告すれば、50発程度で破壊される可能性が高いと思われる。

(3) 今年5月14日に北朝鮮が発射実験をした「火星12」型ミサイルが一段式か二段式か日米両政府は正式に断定しておらず、日米のレーダーでは「火星12」型ミサイルが一段式か二段式かすら識別できない程度のレーダー性能の疑いがある。イージス・システムで使用される最新のSM-3ブロック2ミサイルの射程は1000km以上であっても、レーダー電波の反射波の強度は概ね距離の4乗に反比例して弱まるため、レーダーの探知能力が ( たとえ水平線・地平線上であっても ) 1000km以上あるか疑問であり、しかも、当然ながら水平線・地平線下にはほとんど対応できないため、日本全土に2基のイージス・アショアを配備すれば防衛できるというのは虚構である疑いがある。

(4) 北朝鮮が重量1トン以下の核弾頭を保有し重力ターンと水平飛行の姿勢制御技術を習得すれば、「火星12」型ミサイルによって700km以内の距離の地点まで最高高度70km未満のディプレスト軌道攻撃可能となり、佐世保基地・岩国基地・経ヶ岬通信所を「火星12」型ミサイルによるディプレスト軌道で狙う危険があるが、イージス・アショアで採用されるSM-3迎撃ミサイルの迎撃可能最低高度が70kmであれば迎撃不能になる危険がある (注1) (注2) (注3)

(5) たとえイージス・アショアで採用されるSM-3ブロック2ミサイルの射程が2000kmあっても、北朝鮮との距離が1000km前後である事を考えると横方向の防御範囲はイージス・アショアから1000kmが実質的な限界になる可能性が高い。場合によっては1000km未満という事もありうる。実際、日本が石川県輪島市にイージス・アショアを配備し、北朝鮮が平壌の南方100kmの地点から約670km離れた佐世保基地を狙って弾道ミサイルで攻撃して来る仮想事例 ( 位置関係は下図参照 ) を考えると、輪島と佐世保間の距離は800km以上のため、北朝鮮のミサイルよりイージス・アショアのSM-3迎撃ミサイルの方が加速性能が良くて探知までのタイムラグを挽回でき平均スピードが同じという楽観的仮定ですらも間に合わない事がわかる。


目次

2017年7月3日 ( 2017年6月23日・当初版は こちら 。 )

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浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp


 (注1) 下記urlの「週刊オブイェクト」記事参照。

 http://obiekt.seesaa.net/article/356618241.html

 

 

 (注2)  下記urlの「数多久遠のブログ シミュレーション小説と防衛雑感」記事参照。

http://kuon-amata.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-3cf3.html

 

 (注3) 下記urlのYahoo! Japan 配信・The Page 記事参照。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161011-00000001-wordleaf-kr&p=4