日本中の原子力発電所は即時運転停止すべき

 

今すぐ日本中の原子力発電所は運転停止すべきです。

*****

日本中の原発を即時停止すべき理由:

 

(1)今原発事故の起きている福島第一原発は震源が沖合いで離れていたので巨大地震でも制御棒挿入でき、一応は停止できているのに、あれだけの事故が起きているのです。もし仮に、原発の直下で地震が起きればマグニチュード 7 程度の地震でも制御棒挿入できない危険があり、その場合は福島第一原発の事故の規模をはるかに超える事故が起きる危険があります。

 

(2)東北地方太平洋沖地震後に五日以内に新潟・長野県境付近震源の地震と静岡県が震源のマグニチュード6クラスの地震が発生してるのです。日本列島全体で地震活動が活発化した疑いがあるのです。

 

(3)電力中央研究所の研究員の井上大栄らは原子力発電所を立地・建設する際に実施される詳細な調査によってM7クラスの地震を事前に想定することは可能と主張し発表し、それが原発の安全性の根拠とされてますが、それが虚偽である事を私は下記の私のホームページで示しました。

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/lie_CRIEPI.html

また、2006年地球惑星科学連合大会でも指摘しました。

 

(4)現在の日本の原発については、一部の原子力発電所の原子炉建屋については震度7程度までの耐震性能があるようですが、その中や外にある制御棒システムや冷却システムや消火設備の耐震性は個別部品としては検証されていても、全体としては実質的には検証されていないのです。「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」は「動的解析」の内容については具体的に規定しておらず、原子力発電所の基礎岩盤に伝わる地震波到達のタイムラグによる(すなわち位相差による)基礎岩盤内での変位の差を考慮したシミュレーションまで要求していないからです。言い換えると、建物内部で局所的に地震動が増幅される可能性が高く、原発周辺で震度6程度でも何らかの障害を生じるものがほとんどと思われます。

私は、この危険性について、2006年地球惑星科学連合大会でも指摘しました。

 

(5)福島第一原発の対策のため、他の原発からも職員が福島第一原発に応援に行っており、他の原発の要員がギリギリであり、しかも、応援から戻った職員も年間放射線被爆限度を使い切っており、万が一、他の原発で事故が発生すれば対応困難になる危険がある事。

 

(6)福島第一原発の対策のため、他の原発から福島第一原発に応援に行って元の原発に戻った職員は過労状態になっており、過労から注意力低下し人為ミスによる事故を誘発する危険がある事。

 

(7)世界中から福島第一原発事故に対して事故対策に必要な物資が送られているが、それによって原発事故対策物資の在庫が国際的に逼迫し、新たに別の原発事故が起きれば資材不足になる危険がある事。

 

(8)コストや敷地の制約からか原子炉建屋上部に使用済み燃料棒保管プールが併設されており、重心が高くなって原子炉建屋の耐震性が低下するのみならず、原子炉建屋内での事故に巻き込まれる危険等の安全上の問題がある事。

 

(9)チェルノブイリ原発事故で作業員の人権無視して高レベル放射線下で「石棺」と呼ばれる放射能封じ込めのための原子炉建屋を覆う建物を強制的に造らせた旧ソ連と違って日本は法的に作業員の人権保護せねばならないので高レベル放射線の出る重大事故の場合には放射能封じ込め作業ができなくなる危険があります。また、チェルノブイリ原発事故で応急的に造られた耐震性の低い「石棺」と呼ばれる放射能封じ込めのための原子炉建屋を覆う建物は日本では余震で倒壊する危険があります。

 

(10)日本政府は福島第一原発から放射性気体キセノン133が大量に放出されていたにもかかわらず、その事実を公開しませんでした。キセノン133は家庭用マスクも高性能医療用マスクも通過し容易に屋内に入りこむため政府が示した外出時のマスク着用や福島第一原発20km以遠30km以内の屋内退避地域で屋内退避してもキセノン133による被爆は阻止困難で、逆に空気の4倍以上重い性質から二階以上で生活し乳児にベビーベッド使用する事が有効である事を指導しませんでした。

すなわち、政府はこの期に及んでも不都合な事実を隠す事を住民の健康・安全より優先させたので信用できません。

 

(11)政府が隠している福島第一原発から放射性気体キセノン133が大量に放出された事実は福島第一原発3号機が完全には停止しておらず臨界状態が地震後も続いていた事を示しています。つまり、日本中の原発は地震時に制御棒というブレーキが不完全になる疑いがあるのです。これが自動車ならリコールするでしょう。原発も安全対策ができるまで停止すべきなのです。

 

(12)原子力安全委員会は「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」改定にあたって、私の指摘した知見による基準強化を行わず、逆に「岩盤支持」の要求を「十分な支持性能を持つ地盤に設置されること」に緩和・改悪している事。

 

(13)原子力安全委員会の公正さに疑問があり、実際に、原子力安全委員会専門委員だった石橋克彦・神戸大学教授が「分科会の審議の在り方と指針改訂の最終案に到底納得することができず、委員として国民に対する責を果たせない」と考え辞任されており、原子力安全委員会の公正性が確保されてない現状での原発運転は危険である事。

 

(14)今回の福島第一原発事故の解明分析と対策研究が現時点ではなされておらず、不備な点の改良が完了するまでは停止すべきである事。

 

(15)福島第一原発を安全規制し保安を所管するはずの原子力安全保安院・福島第一事務所(福島第一原発から約5km)の検査官が福島第一原発事故で放射線測定値が急上昇した3月15日から約一週間、福島第一原発から60kmも離れた福島市に移動しており、これは現地で危険な作業を行っている作業員や自衛官や警察官や消防隊員の士気に悪影響を及ぼしかねない行動でした。原子力安全保安院の検査官全員の再教育が済むまでは日本中の原発全てを停止させるべきです。

 

(16)4月・5月の電力需要は比較的少なく、しかも複数の休眠火力発電所が6月には稼働再開可能なので、政府や電力会社等が適切な対策を講じれば大混乱は避けうる事。


2011年3月29日

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

目次


 

無料アクセス解析