[ 注意 ] これは、過去記事保存版です。

政府・文部科学省は日本分析センターに大気環境中の放射性元素の分析を委託しながら、文部科学省はその事実を秘匿し日本分析センターに無断公表を禁じていました。しかし、私が厳しく追及した事と、群馬県高崎市にある国際機関の委託を受けたCTBT放射性核種探知観測所の大気環境中の放射性元素のデータが公表された事から、日本分析センターに大気環境中の放射性元素の分析結果の公表を許可し、4月1日に日本分析センターホームページで大気環境中の放射性元素の分析結果公表されたものと思われます。

文部科学省によって3月末まで公表が止められていた日本分析センターの大気環境中の放射性元素の分析結果が公表された事により、制御棒挿入によって東北地方太平洋沖地震発生時の2011年3月11日14時46分に停止したはずだった福島第一原発3号炉で、その後の3月13日・14日に核分裂連鎖反応が起きていた事が判明しました。別記事 [ 3月14日爆発時放出キセノン133は前日の弁開放後の連鎖反応で生成 ] 参照。(2011年4月20日追記)

[ 注意 ] 2011年3月23日にタイトルを「政府は早急に大気環境中の放射性元素を公開すべき」から変更しました。

[ 注意 ] 下記の記事での語句「被爆」は「被曝」の誤記です。(2011年4月22日追記)

[ 注意 ] キセノン133は体内にほとんど蓄積しません。また現時点ではキセノン133はほとんど放出されておらず半減期が約5日と短いので、現在ではほとんど消滅しました。今後新たな大規模放出がなければ、現時点ではキセノン133吸入による健康被害の心配は不要です。尚、放射性セシウムは体内に蓄積する性質があり、また、すでに放出された分が粉塵として地面に積もったりしているので、現時点では放射性セシウムに対して注意すべきです。放射性物質は粉塵としてまたは埃に付着して床付近に溜まりやすいので、福島県浜通り・中通り地方では、できれば毎日マスク着用して部屋の掃除をされる事を勧めます。庭の雑草や落ち葉に放射性物質が多く付着してる場合があるので棄てる事が可能なら棄てる事を勧めます。溝にも放射性汚泥が多く含まれているので、幼児に溝の汚泥を触らせないようにしましょう。また、地震で屋根瓦の落ちた家で屋根土が雨に濡れた家では屋根土に放射性セシウムがしみ込んでいる可能性があるので、屋根土の交換を勧めます。ただし、屋根土交換工事によって放射性物質を含んだ土ぼこりが大量に出ますので、工事前に転居し衣類・寝具・食料等も移転するか土ぼこりが入らないように対策し、工事後にN95マスク(wikipedia「N95マスク」参照)等の高性能マスクを着用して部屋に溜まった土ぼこりを除去してください。 (2011年8月9日追記)


 

[過去記事保存版]: 政府は早急に大気環境中のキセノン133の有無を公開すべき

(MOX燃料使用の福島第一原発3号機よりキセノン133大量発生の証拠隠蔽の疑い)

 

 

不思議な事に、3月28日正午時点で、日本政府は福島県下の居住可能地域で大気環境中のキセノン133の有無を公表していません(注1)しかし、放射性元素の種類によって被爆対策は異なります。もし仮に、福島県下の居住可能地域の放射線の原因の大部分がキセノン133などの放射性気体なら屋内にいても被爆しますし、通常のマスクのみならずN95規格等の高性能医療用マスクでも放射性希ガスは除去不能です。キセノン133は(同じ温度なら)空気より4倍以上重いので福島市のような盆地地形の底やダム湖周辺や渓谷の谷底(注2)や窪地にたまりやすいでしょう。

なぜ、(同じ温度なら)空気より4倍以上重いキセノン133が阿武隈山地を越えて福島盆地に到達したと私が考えるのかというと、3号機建屋の爆発時に1号機建屋爆発の数倍の高さに煙が上がった事から、高温になって(大気温の場合の数倍に)膨張して大気より軽くなり、また高熱で大気よりはるかに軽くなった水蒸気の上昇気流に乗って上空に昇ってから拡散し、その一部が阿武隈山地を越えて冷えて福島盆地で下降し、その後は山麓の傾斜に沿って福島盆地底部の福島市中心部に集まって(出口が狭いので)溜まっていると推定しているからです。

アメリカ政府機関は福島第一原発から太平洋を超えてアメリカ大陸西岸に飛来した放射性元素についてヨウ素131やキセノン133などの放射性物質を検出した事を即座に公開しています(注3)。韓国政府機関も精密測定値を公表しました(注4)。日本政府が公開していないのは不都合な情報を隠しているからでしょう。福島第一原発3号機建屋爆発後にキセノン133大量放出されていた事が発覚すれば、MOX燃料使用している福島第一原発3号機で地震発生直後も完全に停止せず臨界状態が続いていた証拠になるからです。固体の粉塵として放出される放射性物質は地震発生以前に生成された分が原子炉停止後に燃料棒や一次冷却水から放出したと主張できますが、地震発生以前に発生したキセノン133のような放射性気体は原子炉の外にある希ガス・ホールドアップ装置の活性炭に吸着回収されており、制御棒挿入後に放射性気体のキセノン133が大量放出されたとすれば制御棒挿入後にも完全に停止せず臨界状態が続いていた証拠になるからです。

ともかく、被爆対策のため、福島第一原発から20km以遠の居住可能地域での放射線の元になる放射性元素についての情報を即時公開すべきです。

尚、福島市中心部や宮城県丸森町丸森橋付近にお住まいの方は二階以上で生活し、睡眠時にはベッドを使用される事を勧めます。乳幼児は背丈が低く部屋の底にある重い放射性気体のキセノン133を吸い込みやすく育ち盛りで細胞分裂が活発で余命も長いので注意が必要です。また、癌家系の方や呼吸器系疾患を患っておられる方も注意が必要です。しかし、キセノン133は半減期が5日程度と短いので今後事故が終息すれば4月10日までには十分の一以下になると思われます。

*****

政府や自治体の発表する放射線測定値は内部被爆を無視し全く外気を吸い込まない場合の値です。しかし、実際には陸上でスキューバ・ダイビング用の空気ボンベで呼吸をするというような事はしませんので非現実的な前提です。実際には呼吸をし放射性気体キセノン133の入り込む肺の肺胞の表面積は広く、wikipedia「」によれば60平方メートル、wikipedia「肺胞」によれば成人で100平方メートル近いとありベーター線被爆にさらされる面積が非常に広いのです。

しかも計測器は幼児が呼吸する床付近より高い場所なので、幼児の吸い込む空気の方が計測器の場所よりキセノン133の濃度は高いでしょう。


(注1) 3月28日正午までに食品や水道水や海水や土壌に放射性のヨウ素やセシウムの混入は発表されましたが、(私の知る限り)3月28日正午時点までに放射性気体であるキセノン133の有無についての発表はありません。

(注2) 下記のNHKニュース記事参照

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110322/k10014824741000.html

>福島・浪江町で高い放射線量

>・・・・・(中略)・・・・・

>福島第一原子力発電所から北西におよそ20キロメートル離れた浪江町と葛尾村の境界付近で、

>20日午後2時55分、1時間当たり161マイクロシーベルトの放射線の量を観測したということです。

 

その地点が大柿ダム西方の福島県道50号線・小出谷川沿いの境界である小出谷付近だとすれば、両側が山の谷底であり、空気より4倍以上重い放射線気体のキセノン133が谷底に溜まっているのが原因と考えるとつじつまが合います。下記の国土地理院地図閲覧サービスの地形図参照。

(注3) 下記のasahi.com(朝日新聞社)記事参照。

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103190119.html

>米環境保護局とエネルギー省は18日、原子炉でできる放射性物質を米西海岸で検出したと発表した。

>約8千キロ離れた福島第一原子力発電所から飛来してきたとみられるが、量はごくわずかで住民への健康影響はないとしている。

>発表によると、16〜18日、カリフォルニア州やワシントン州にある監視装置が、ヨウ素131やキセノン133などの放射性物質を検出した。

(注4) 下記のサーチナ記事参照。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0328&f=national_0328_032.shtml

> 韓国原子力安全技術院(KINS)は27日、福島第1原発から飛来したとみられる放射性物質が、

>同国東部の江原道(カンウォンド)で検出されたと発表した。ごく微量で人体や環境に影響を与える水準ではないという。

>複数の韓国メディアが伝えた。

>江原道北部の放射能観測施設で、23日から27日まで空気中から微量の放射性物質キセノン133が検出された。

>最大濃度は1立方メートルあたり0.878ベクレル。放射線量は国が定める自然放射線の2万3000分の1という。


2011年4月6日 (主な過去の記事: 2011年3月20日第一版  2011年3月20日第二版 2011年3月23日タイトル変更版 2011年3月29日最終版)

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

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