中部電力にとって浜岡原発一時停止より廃止・解体が有利

 

 


菅首相が地震・津波対策が完了するまで中部電力に浜岡原発一時停止を要請するニュースがありましたが、中部電力の将来を考えると一時停止より廃止・解体するのが有利なのです。

 

まず、いくら建物を耐震化しても巨大直下地震で震度7の揺れがあれば建屋内部の燃料棒・制御棒・配管等の耐震化困難な重要部分に被害を受け、制御系と冷却系双方が機能不全になれば福島第一原発事故以上の大事故が発生し、中部電力管内住民・企業・農業関係者・漁業関係者・観光業者等が重大な被害を受けるだけでなく、首都圏にまで放射性物質が大量飛散し日本の首都機能に重大な悪影響を与え、中部電力の倒産の危険につながる危険があります。

浜岡原発の廃止・解体を表明すれば、河川敷等の国有地に有利な条件で風力発電設備を設置しやすくなるだけでなく、農協と合弁で茶畑や牧場に風力発電設備を設置しやすく、また、温泉権を持つ観光業者と合弁で地熱発電しやすく、浜名湖や諏訪湖の漁協と合弁で浜名湖や諏訪湖の湖畔に風力発電設備を設置しやすくなります。(ただし、湖は飛来する鳥が多いのでバード・ストライク対策が必要で、特に冬季に渡り鳥の多い諏訪湖では冬季の風力発電は停止する必要があるかもしれません。)逆に、浜岡原発の廃止・解体による風力発電への転換の急務という旗印がなければ、風力発電による低周波騒音問題や景観問題等により地元の了解をえにくく、自然エネルギーへの転換は遅々として進まない可能性が高いでしょう。

さらに、原発事故を恐れる個人顧客だけでなく、中部電力管内の大手輸出企業も原発事故が起きれば企業イメージが大幅に落ちるので浜岡原発の廃止・解体に賛同するでしょう。

それだけでなく、今後は原発を保有する日本の電力会社の社債の格付けにおいて原発事故リスクがマイナス要因として評価されるので資金調達面からも浜岡原発を廃止・解体した方が有利でしょう。

企業イメージ面からも浜岡原発を廃止・解体した方が有利で、人材調達面や将来の電力自由化でも有利になるでしょう。

将来は、原発に対する規制が厳しくなるだけでなく事故に備えての負担も増すので、原発の採算性が悪化するでしょう。

政府が浜岡原発の停止を要請した今なら、浜岡原発を廃止・解体すると表明して核燃料を有利な価格で政府に引き取らせ、浜岡原発の解体費用を政府に負担させやすいでしょう。

今後の少子高齢化による人口減少や太陽光自家発電・ガスコージェネレーション自家発電・省エネ家電・高断熱住宅の普及により電力需要の減少が電気自動車普及やリニア新幹線開通による需要増を上回る可能性が高いので、浜岡原発運転再開の必要性は低いでしょう。

さらに、今夏の天然ガスの調達が困難との事ですが、浜岡原発の一時的停止ではなく廃止にした方が長期契約を結びやすく、また、欧米で需要の落ちる夏季だけの融通の話も欧米諸国とまとめやすいでしょう。実際、G8首脳宣言でも地震国の原発には厳格基準が必要としており、天然ガス輸出国のプーチン首相も日本のような地震国は原発を廃止すべきだとの考えを持っており、浜岡原発を停止し廃止・解体も真剣に考慮していると言えばロシアや欧米諸国と交渉しやすいと思います。

ともかく、たとえば、浜岡原発廃止・解体を3年間検討する事にし、その旨を公表し、すでに浸水対策が完了したとの事なので3年間は防潮堤工事は延期し、調査・検討・交渉されてはいかがでしょうか?


中部電力が浜岡原発停止中に、浜岡原発の津波対策として高さ15m、長さ1.5kmの巨大防潮堤の建設を予定してるようですが、それは大津波発生時には浜岡原発の西にある新野川への津波の集中と大規模な遡上を招き、御前崎市中心部への津波被害の増大をもたらす危険があり、そのような事態が発生すれば中部電力が巨額の損害賠償責任を負わされる危険があります。

また、東南海地震は90年以上の周期で発生しています。そして、東南海地震は東海地震(駿河トラフ地震)を誘発し同時発生する危険があります。東南海地震の前回発生が1944年だったので2034年以降は特に危険な時期です。ところが、中部地方の電力需要を高めるリニア新幹線開通時期は東京・名古屋間の開通予定が2027年、名古屋・大阪間の開通予定が2045年で、巨大地震発生危険期になるのです。

今、せっせと巨大防潮堤建設して2年後に浜岡原発の運転を再開すれば、建設費回収のため巨大地震発生の危険が高まる2034年以降もズルズルと浜岡原発の運転を続ける危険が高まります。

仮に、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生可能説によっても、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生ならば浜岡原発前の海岸線と駿河トラフ北部はほぼ垂直(約90度)であり、駿河トラフ南部でも浜岡原発前の海岸線と60度程度であって角度的には津波被害が軽減されます。これは、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で福島第一原発を襲った津波が日本海溝と福島県沿岸でほぼ平行(約0度)で津波をまとも受ける角度だったのと異なります。すでに5月末までに浜岡原発の浸水対策は完了しており、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生では長さ1.5kmもの巨大な防潮堤は不要です。欠陥の可能性の高い5号機を除外して3号機・4号機のみの津波衝撃対策に専念すれば長さ300mの衝撃対策壁で足ります。(ただし、私は運転再開にはどうしても大事故の危険が伴うので反対です。仮に防潮堤(衝撃対策壁)設置工事をするとしても単に政府との「交渉カード」としての「捨て工事」にとどめるべきです。)


私は、中部電力ホームページの原子力発電に関するお問い合わせ」のフォームメールで以下の内容の浜岡原発の廃止を勧めるメール(その1・その2・その3・その4・その5・その6・その7)を差し出しました。

メール(その1)の内容(2011年5月7日送信)

東海地震に対する対策が完成するまでの間、浜岡原発全機について停止するよう菅首相による要請があったそうですが、この際、一時的な停止ではなく浜岡原発の廃止を検討されるよう勧めます。

 

(理由1)いかに地震対策をしても直下型地震で震度7になれば、原子炉建屋が無事でも原子炉内の燃料棒や制御棒の損壊・変形の可能性が高く、また、配管等の損壊の可能性も高い事は先刻御存知とは思います。

現行の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の要求する「動的解析」は不完全であり、燃料棒・制御棒・配管を含め、原子力発電所の基礎岩盤に伝わる地震波到達のタイムラグによる(すなわち位相差による)基礎岩盤内での変位の差を考慮したシミュレーションを実施すれば、いかに耐震補強しても原子力発電所の重要部分の中には直下型地震による震度7の揺れに耐えれない部分が存在する事は理解できるでしょう。

制御系・冷却系共に機能不全になれば、一時間以内に原子炉が爆発しチェルノブイリを超える惨事が起きる可能性があり、そうなれば東海地震を想定すべきだった貴社は免責不可で倒産する可能性が高いでしょう。

(理由2)今、浜岡原発の廃止を発表すればクリーンイメージで有利になるだけでなく解体費用の国家支援が受けやすくなります。政府も浜岡原発の廃止と引き換えならば世論や野党の理解を得やすいので認める可能性が高いでしょう。

(理由3)今なら、浜岡原発の廃止と引き換えに国有地に有利な条件での風力発電設備の設置許可を政府に認めさせやすいでしょう。政府も浜岡原発の廃止と引き換えならば世論や野党の理解を得やすいので許可する可能性が高いでしょう。

たとえば自衛隊富士演習場内にも、演習の妨げにならず風力発電設備の設置・保守も比較的安全な場所があるはずです。自衛隊も原発事故の後始末させられるよりマシだと受け入れるでしょう。

民間地だと低周波騒音とかで風力発電でも反対運動が起きる可能性や補償問題が発生するので有利な条件で国有地に風力発電設備設置を許可する約束を取り付ける事は貴社の今後の事業展開で非常に有利になります。

メール(その2)の内容(2011年5月7日送信)

先ほど、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由4)浜岡原発を廃止するのと引き換えに、政府に核燃料を帳簿上の価格で買い上げて引き取ってもらう事も要求できるからです。一時停止だと核燃料の買い上げ要求できませんが、廃止・解体なら買い上げ・引取り要求できますから。

メール(その3)の内容(2011年5月9日送信)

おととい、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由5)菅首相の停止要請は浜岡原発の地震対策が完了するまでの実質約2年間の停止要請ですが、二年後には耐震基準は現在よりはるかに厳しいものになるのは当然予想されます。

高い確率で予想される耐震基準の厳格化は、まず、原子炉建屋上部の燃料プールは別棟新築して移動する事と、運用においても発生確率の高い海溝型巨大地震で海底地震計による地震波探知後即座に原子炉停止する事です。特に海底地震計による地震波探知後即座に原子炉停止する事は誤報が多ければ誤停止による損失は多額になるでしょう。

また、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」が厳格化され、「動的解析」として、燃料棒・制御棒・配管を含め、原子力発電所の基礎岩盤に伝わる地震波到達のタイムラグによる(すなわち位相差による)基礎岩盤内での変位の差を考慮したシミュレーションが要求される可能性もあります。そのようなシミュレーションを実施すれば、いかに耐震補強しても原子力発電所の重要部分の中には直下型地震による震度7の揺れに耐えれない部分が存在するため、実質的に原発の再稼動は不可能になるでしょう。

さらに、菅首相に「文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫している。」と指摘された事や東海地震の想定震源域の中央に浜岡原発が存在すると報道された事から、将来、浜岡原発がいかに巨大な地震被害にあって事故が起きても想定すべきだったとして免責されない事が予想されます。

もはや震災リスクを考えると浜岡原発は採算が採れないのです。

(理由6)個人顧客の大部分も原発事故を恐れているだけでなく、輸出型大企業も浜岡原発が震災に遭えば企業イメージが絶対的に低下する事を恐れ中部電力管内の輸出型大企業も浜岡原発の廃止・解体に賛同するものと予想されます。

メール(その4)の内容(2011年5月15日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由7)節電運動や今年度中に企業のガスコージェネ システム導入急増するため目先の電力需要は減少するでしょう。また、日本は人口減少期に入りかけており少子高齢化社会となる事や新築家屋の屋根に太陽電池設置しての自家発電の急増や省エネ製品・高断熱住宅の普及により、将来、電力需要が減少する可能性があります。

尚、電気自動車の普及により電力需要が増加するでしょうが、電力需要の比較的少ない深夜充電が主流となるので比較的ピーク時電力増加にならない可能性が高いでしょう。また、電力を大量に消費するリニア新幹線の開業時までには人口減少による電力需要減少がリニア新幹線開業による電力需要増より大きいはずです。

さらに、貴・中部電力も環境に配慮して風力発電比率を大幅増させねばならないでしょう。

そういうわけで、浜岡原発を廃止・解体しても今年度に緊急再稼動させた老朽火力発電所は数年後に停止可能です。浜岡原発を再稼動させても数年以内に無用の長物になるだけでしょう。

(理由8)原発を続ければ新規の事故対策の税金もしくは別途新規の強制積み立てを求められたり、実質的な東京電力福島第一原発事故支援負担金を求められる可能性があり、原子力発電の採算性は低下するでしょう。

メール(その5)の内容(2011年5月18日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由9)原発事故が起きれば農産物に被害が出るので農協は浜岡原発の廃止・解体に賛成するでしょう。浜岡原発の廃止・解体する事を表明すれば、農協と合弁で茶畑や牧場等に風力発電設備を設置しやすいでしょう。

(理由10)原発事故が起きれば観光業者も被害を受けるので観光業者は浜岡原発の廃止・解体に賛成するでしょう。浜岡原発の廃止・解体する事を表明すれば、温泉権を持つ観光業者と合弁で地熱発電しやすいでしょう。

(理由11)原発事故が起きれば浜名湖や諏訪湖周辺の漁業関係者や観光業者も被害を受けるので、浜岡原発の廃止・解体する事を表明すれば、浜名湖や諏訪湖周辺で漁業関係者と合弁で風力発電設備を設置しやすいでしょう。

(理由12)浜岡原発の廃止・解体する事を表明すれば、有利な条件で河川敷に風力発電設備を設置しやすいでしょう。

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尚、私のホームページで理由をまとめてますので、そちらも参照してください。

[ 中部電力にとって浜岡原発一時停止より廃止・解体が有利 ]

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/Fukushima1NPP/stop_HamaokaNPP.htm

メール(その6)の内容(2011年5月18日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由13)今後は経済的にも原発の事故リスクが反映されやすく、浜岡原発を廃止・解体した方が資金調達面でも有利でしょう。

(理由14)浜岡原発を廃止・解体した方が企業イメージが向上し、有能な人材を集めやすいでしょう。

(理由15)浜岡原発の運転再開すれば、今後、電力自由化された場合、色々な面で不利益が生じる危険があります。

メール(その7)の内容(2011年5月19日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧め、昨日、理由をまとめた私のホームページを紹介しましたが、url変更しましたので御知らせします。

 

[ 中部電力にとって浜岡原発一時停止より廃止・解体が有利 ]

(旧url)

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/Fukushima1NPP/stop_HamaokaNPP.htm

 

(新url)

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/Fukushima1NPP/decommission_HamaokaNPP.htm

5月19日以降、私は、中部電力ホームページのフォームメール送信を「その他のお問い合わせ・ご意見ご要望」のページに変更して以下の内容のメールを送信しました。

メール(その8)の内容(2011年5月19日送信)

私のホームページに下記の記事を作成しましたので、取締役各位に御覧いただきたく紹介します。

 

[ 中部電力にとって浜岡原発一時停止より廃止・解体が有利 ]

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/Fukushima1NPP/decommission_HamaokaNPP.htm

メール(その9)の内容(2011年5月22日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由16)今夏の天然ガスの調達が困難との事ですが、浜岡原発の一時的停止ではなく廃止にした方が長期契約を結びやすく、また、欧米で需要の落ちる夏季だけの融通の話も欧米諸国とまとめやすいでしょう。さらに、内戦によって天然ガス供給が止まっているリビアですが、最新のニュースによれば、カダフィ大佐の側近だけでなく夫人や娘もリビア国外に脱出したとの事で、内戦終結が近い可能性が濃厚であり、浜岡原発の廃止・解体を決定すればイタリア等EU諸国の了解を得て輸出再開時に優先的に日本への輸出が認められえる可能性が高くなるでしょう。

メール(その10)の内容(2011年5月29日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、補足事項を述べます。

 

(補足・1)たとえば、浜岡原発廃止・解体を3年間検討する事にし、その旨を公表し、3年間は防潮堤工事は延期して応急防水対策と非常電源を高所に設置し、万が一浸水しても冷却継続できるようにして、調査・検討・交渉されてはいかがでしょうか?

(補足・2)先日のフォーム・メールの(理由11)で浜名湖や諏訪湖周辺での風力発電の提言をしましたが、湖には鳥が多く飛来するのでバード・ストライク対策が重要です。特に諏訪湖では越冬のため冬季に多くの渡り鳥が飛来するので冬季には風力発電を停止させる必要があるかもしれません。

(補足・3)先日のフォーム・メールの(理由16)でリビア内戦終結が近いのでリビアからの天然ガス輸入も考慮するようにアドバイスしましたが、リビアから直接輸入しなくとも秋までに内戦終結の見込みが高ければ欧米諸国やロシア・ウクライナの暖房需要の無い夏季にロシアや欧米諸国から輸入もしくは権利のスワップで欧米諸国の輸入元から調達しやすいでしょう。G8首脳宣言でも地震国の原発には厳格基準が必要としており、天然ガス輸出国のプーチン首相も日本のような地震国は原発を廃止すべきだとの考えを持っており、浜岡原発を停止し廃止・解体も真剣に考慮していると言えばロシアや欧米諸国と交渉しやすいと思います。

メール(その11)の内容(2011年6月3日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、補足事項を述べます。

 

(補足・4)先日のフォーム・メールの(理由1)で述べた事を補足しますと、「地震応答解析」(動的解析)において原子炉建屋基礎面が水平としてシミュレーションされてますが、これは不完全なシミュレーションであって、実際の地震では地震波によって基礎面は波打ち傾いたりするはずなのに考慮されてません。特に、浜岡原発のように基盤が軟岩の場合は地震波の伝達が遅いため基礎面の傾きを無視した耐震性審査は極めて不完全だという事です。昭和56年制定の旧指針の場合にはコンピュータの計算能力から已むを得なかったとしても、コンピュータの計算能力が千倍以上になった平成18年制定の新「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」でそのような不完全な「地震応答解析」(動的解析)のシミュレーションを許容しているのは、耐震性不足の原発を容認するもので、私の指摘を無視した原子力安全委員会(耐震指針検討分科会を含む)委員・事務局職員らの犯罪的不正行為です。

尚、「多度津工学試験所」にあった大型振動台での振動実験も振動台の面が水平のまま振動させていたので、実際の地震で基礎面が斜めに傾く状況を再現できない不完全な実験でした。

メール(その12)の内容(2011年6月7日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由17)貴社の御計画どおりに高さ15メートル・長さ1.5キロメートルもの巨大な防潮堤を浜岡原発の周囲に造れば、万が一、巨大津波が発生した場合、浜岡原発西隣にある新野川への津波の遡上を促し、新野川河口沖の海底渓谷沿いに進行してきた津波は新野川西岸の御前崎市中心部を襲う結果になります。そのため、万が一、巨大津波が発生し新野川沿いに津波が遡上して御前崎中心部が壊滅状態になれば、浜岡原発の巨大防潮堤によって津波被害が増幅されたとして巨額の損害賠償請求される原因になる可能性があります。

(理由18)いかに巨大防潮堤を造っても地下で取水トンネルや放水路で原子炉建屋やタービン建屋と海がつながっているので被害防止のため海水の流入遮断すれば、津波による複数回の押し引きがあるため何時間も二次冷却用海水取水できない可能性があり、地震で制御棒や燃料棒等に損傷が発生すれば発熱量が多くなり非常用冷却水だけでは不足する危険等もあります。

(理由19)防潮堤設置場所の選定にもよりますが、砂丘と原子炉建屋の間に設置する方法だと5号機の場合には間合いが不十分となる可能性が高いでしょう。

メール(その13)の内容(2011年6月7日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、補足事項を述べます。

 

(補足・5)本日のフォーム・メールの(理由17)(理由18)(理由19)に関して、貴社は既に5月末までに浜岡原発の浸水対策を完了されたとの事で、今後は巨大津波による衝撃対策が主となるはずです。巨大津波の衝撃対策としては長さ1.5キロメートルもの巨大防潮堤が本当に必要かまた副作用がないか効果はいかなるものか十分な検討が必要でしょう。検討の結果次第では本体・地盤に何らかの欠陥が予想され砂丘との距離が短い5号機は対策しても無駄なので、運転再開の可能性を3号機・4号機に限定し、2025年までは防潮堤建設は3号機・4号機前面のみの300メートル程度のみとして、政府等と廃止解体の条件交渉をする交渉カードとする方法もあります。歴史記録によれば東南海地震の周期は90年以上であるため2025年までは東南海地震の発生危険は低く、仮に2025年までに「東海地震(駿河トラフ地震)」が発生する可能性が相当程度あるとする「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生可能説を採っても「東海地震(駿河トラフ地震)」のみの単独発生ならば御前崎東南の海底の尾根(御前崎海脚・御前崎堆)の存在によって駿河トラフで発生する津波の浜岡原発への直撃を減少させるので2025年までは防潮堤は3号機・4号機前面のみの300メートルのみでも浜岡原発の津波による重大事故発生の危険は低くできるでしょう。

防災上は3号機・4号機も含めて浜岡原発の完全廃止・解体が望ましいですし、その場合には防潮堤を造っても無駄になるだけでなく津波の新野川への遡上促進して御前崎市の津波被害拡大させる危険があるので巨大防潮堤建設は問題があります。しかし、私企業として浜岡原発の完全廃止・解体による費用・損失を単独で負担したくないのであれば、交渉カードとして防潮堤建設もやむを得ないですが、浜岡原発の廃止解体の場合に無駄になる防潮堤建設工事は最小限にすべきです。

メール(その14)の内容(2011年6月7日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由20)浜岡原発直下で発生しうる地震は「東海地震(駿河トラフ地震)」だけでなく、「東海地震(駿河トラフ地震)」と直接の関係の無い地震や駿河トラフと共役方向の断層の地震も起きる可能性があります。マグニチュード7クラスだといくら活断層調査しても発見できない可能性が十分にあります。調査すれば発見できると主張する電力中央研究所の井上大英論文には不正があります。私のホームページ記事[原子力発電を支持する電力中央研究所論文のウソ]を御一読ください。

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/lie_CRIEPI.html

メール(その15)の内容(2011年6月16日送信)

先日、浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、理由を追加しておきます。

 

(理由21)リニア新幹線の名古屋までの開通予定が2027年、大阪までの延長予定が2045年です。

また、歴史記録での「東南海地震」の発生の過去の最短間隔は90年であり、最終発生時である1944年から90年目の2034年からは特に「東南海地震」発生の危険が高くなります。安全のため最短間隔が80年と考えれば2024年から危険期に入ります。また、「東南海地震」が「東海地震(駿河トラフ地震)」を誘発し同時発生させる危険が高い事から当該時期は「東海地震(駿河トラフ地震)」発生の危険期にも当たります。

つまり、中部地方の将来の電力需要増加要因となるリニア新幹線開通時期と「東南海地震」や「東海地震(駿河トラフ地震)」という巨大地震発生危険期が一致する可能性が高いのです。

この事は、今、浜岡原発を廃止・解体せずに2年後に運転再開すれば、「東南海地震」や「東海地震(駿河トラフ地震)」という巨大地震発生危険期という危険性が極めて高くなる時期にも危険を承知で浜岡原発をズルズルと運転してしまう危険を増大させる事になるのです。

特に、巨大津波対策で巨大防潮堤を新規に建設すれば建設費回収のため「東南海地震」や「東海地震(駿河トラフ地震)」という巨大地震発生危険期にも運転し続ける危険が高まります。

 

尚、「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」発生と、その四日後に起きた「静岡県東部地震」発生までは、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生の可能性は極めて低かったのですが、東北地方太平洋沖地震と静岡県東部地震の発生により「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生の可能性も無視できなくなった事にも留意し、運転再開のための巨大防潮堤工事は止め浜岡原発は一時停止でなく今すぐに廃止すべきです。

メール(その16)の内容(2011年6月16日送信)

浜岡原発の一時的な停止ではなく廃止を検討されるよう勧めましたが、補足事項を述べます。

 

(補足・6)先日のフォーム・メールの(理由17)(理由18)(理由19)(補足・5)に関して以下の補足をします。

仮に、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生可能説によっても、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生ならば浜岡原発前の海岸線と駿河トラフ北部はほぼ垂直(約90度)であり、駿河トラフ南部でも浜岡原発前の海岸線と60度程度であって角度的には津波被害が軽減されます。これは、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で福島第一原発を襲った津波が日本海溝と福島県沿岸でほぼ平行(約0度)で津波をまとも受ける角度だったのと異なります。そのため、2025年までは「東南海地震」連動発生の危険が低く、「東海地震(駿河トラフ地震)」単独発生では長さ1.5kmもの巨大な防潮堤は不要です。津波対策の必要性から言えば、福島第一原発を襲った津波が標高50m以上の巨大な水柱が発生させた事から、防潮堤(衝撃対策壁)設置場所と風向きによっては防潮堤(衝撃対策壁)に津波がぶつかって発生する可能性のある巨大な水柱の多量の水塊が原子炉建屋屋上に落下する危険があるので原子炉建屋屋上の防水対策を優先すべきでしょう。

すでに5月末までに浜岡原発の浸水対策は完了しているとの事ならば、欠陥の可能性の高い5号機を除外して3号機・4号機のみの津波衝撃対策に専念すれば、2025年までは長さ300mの衝撃対策壁で足ります。(ただし、私は運転再開にはどうしても大事故の危険が伴うので反対です。単に政府との「交渉カード」としての「捨て工事」にとどめるべきです。)


2011年6月16日 (2011年5月7日当初版)

目次

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp


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