[臨時・補遺]原発を支持する電力中央研究所論文のウソ(文系の方でもわかる内容)
(文系の方でもわかる内容ですので、ぜひ御一読願います。)
*****
電力各社が共同で設立した電力中央研究所の2001年年報の論文には国の原発の耐震基準を甘くさせるため重大な虚偽があります。
http://criepi.denken.or.jp/jp/pub/annual/2001/01seika53.pdf
>4.この地域では西暦880年に出雲地震が記録されている。
>広域での地震動、被害状況などは今回の地震と非常に
>似ており、この断層は出雲地震時に動いた可能性が大きく、
>地下の震源断層は出雲地震と同様であったことが推定された。
>また、今回の地震では明らかな地震断層が認められなかった
>が、出雲地震では地表変位が生じたものと考えられた。
>5.これらのことから、精度の高い空中写真判読や地表踏査を
>実施することによって、M7クラスの地震を事前に想定する
>ことは可能であったと考える。
としてますが、平安時代の中央政府の記録「三代実録」には元慶4年10月14日の出雲地震について、 出雲国 (現・島根県東部)の被害報告しか載ってません。
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/jitsuroku.html
尚、当時の伯耆国司は災害は小まめに平安朝に報告して救済措置を受けていた事が判明してますので、地震の被害報告が無いというのは
地震の被害が無かったという事です。
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/Houki_kokushi.html
逆に、2000年の鳥取県西部地震では鳥取県の被害が島根県より圧倒的に多かったのです。内閣府資料(集計・2001年6月15日)参照。
http://www.bousai.go.jp/kinkyu/tottori/tottori1.html
鳥取県:負傷者141名、家屋全壊390棟
島根県:負傷者11名、家屋全壊34棟
そこで、何を根拠にそのような事を言ったか電力中央研究所に問い合わせたところ、古文書は直接参照しておらず、「地震」第54巻の参考文献
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/Inoue_Zisin_archives.htm
が根拠との回答を得ました。
しかし、「地震」第54巻(2002)p.572で、井上大栄 他は、萩原尊禮・編著(1982)「古地震:歴史資料と活断層からさぐる」東京大学出版会 p.174
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/Hagiwara_p173_map.jpg
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/Hagiwara_1982.htm
を根拠にしてますが、震央は島根県側で、しかも鳥取県境からかなり離れています。緯度・経度については本分の関係からミスプリと思われますが、さらに西の海上で鳥取県県境からさらに離れています。
それゆえ、誤差10km以内としているので、萩原尊禮・編著(1982)「古地震:歴史資料と活断層からさぐる」を根拠にして鳥取県内に出雲地震の震央があったと主張するのは明白な「ウソ」です。普通の読者はそこまでチェックしないと思ってるのでしょう。 まるで、耐震偽装の姉歯(元)建築士みたいです。
尚、電力中央研究所の井上大栄の日本地震学会の学会誌「地震」第54巻p.557-573には類似の内容の論文があり、上記のウソ以外にも根本的欠陥があるのです。それについて、私は地球惑星科学連合大会(5月15日・千葉・幕張メッセ)の「S107 ・活断層と古地震」セッションで発表を申し込みました。
タイトルは「 原子力発電を支持する電力中央研究所論文のウソ」です。ところが、コンビーナ(座長)の奥村・広島大学教授(原子力安全委員会専門委員)「ウソ」とか「電力中央研究所論文」という用語を削除しないと発表は認めないと修正要求してきています。(添付のメールの添付ファイル参照、添付ファイルが開けない場合は↓参照)
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/requirement.htm
不当な言論統制です。尚、日本地球惑星科学連合からは配達証明で郵便物が送付されてきています。もし、ドキュメンタリー番組を造られる可能性があるなら開封現場の撮影をしてください。(ただし、「配達証明」なので早急に開封しないといけないので撮影されるなら早急に御願いします。)
詳細については私のHPを御覧ください。
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/NG_CRIEPI.htm
http://masanori-asami.hp.infoseek.co.jp/JP/gadenn_innsui/lie_CRIEPI.html
尚、近日中に更新予定ですので、時々リロード願います。
*****
原発の耐震指針では活断層調査で予測される地震と10km地点でのマグニチュード6.5の地震に対する耐震性が基準になっています。
しかし、本当ならば鳥取県西部地震後はマグニチュード7.5の直下地震への耐震性が要求されるべきものでした。
2006年
(談話室)「オクトパスアイランド」 (お気軽にどうぞ)