「中華民国からの独立」のナンセンス

 

 

  台湾独立派の中には「台湾は中華民国から独立せねばならない。」と言う訳のわからない主張をする人が結構いるようです。「中国からの独立」とか「中華人民共和国からの独立」だったらわかるのですが、「中華民国からの独立」っていったいどうやってするのか訳がわかりません。「国民党の一党独裁からの脱却」とか「台湾民主化」だったらすでに達成されてるでしょう。

  「中華民国からの独立」が論理的に可能なのは先住民だけですが、台湾独立派のほとんどは先祖が中国大陸から渡ってきた漢民族移民の子孫です。

  まあ、「台湾は中華民国から独立せねばならない。」というのは、以前、北京政府と中国の正統政府であると主張して覇を競った亡命政府の中華民国政府のままでは中国からの独立が不可能なので、2.28事件等で国民党一党独裁時代の台北政府から弾圧・虐殺されたという台湾内部の事情をもって民族解放運動に見せかけて国際的支持を得ようという奇策なのでしょう。しかし、台湾独立派の先祖が台湾先住民を迫害していた漢民族移民なのですから民族解放運動である訳がありません。そして、しかも現在の台湾独立支持の民進党の陳水扁政権が蒋介石の国民党政府から平和的に連続した政府で革命やクーデターで不連続な政府でないのですから中華民国からの独立なんてナンセンスのきわみです。(不連続でも同一民族なら中国のままですけど。)おまけに、蒋介石氏の事を非常に悪く言ってるのに台湾独立支持の民進党の陳水扁政権になっても故・蒋介石氏を記念する中正記念堂に衛兵の護衛までついたままです。

 

2003年4月7日

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

 

 

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