漢族主導の台北政府には独立の正当性なし

 

 日本がサンフランシスコ平和条約で放棄(注1)したので台湾・澎湖は無主地(注2)となり、それを台北政府が中国(中華民国)名義で先占したので、台湾・澎湖は中国領です。ただし、中国領と言っても将来、中国が分裂国家と認識され中華民国が中華人民共和国と別個の国家と認識されれば、台湾は中華民国領になります。

そして、現在の陳水扁政権は過去の蒋介石政権とは性格が全く異なりますが平和的に連続して政権移譲されており台北政府は政府として蒋介石時代から現在の陳水扁政権まで同一です。しかも、今でも「中華民国憲法」第二六条は現時点では効力停止されてるものの台湾・澎湖・金門・馬祖だけでなく中国全土が領土である事を前提(注3)としており、中国から独立するというのは、少なくとも今世紀半ばまでは「禁反言」の法理から許されません。


(注1) カイロ宣言は中華民国と国土丸ごと先住民から盗取したアメリカと海賊国家だった英国が、日本が朝鮮の覇権争いで清朝中国に勝って割譲を受けた清朝中国の植民地だった台湾を、日本が「盗取」したと難癖つけて中華民国に返還を求めたもので内容に重大な欠陥があり、それを引用したポツダム宣言を日本が受諾してもポツダム宣言は軍事的な取り決めと解するべきであり、その趣旨は尊重されるべきであったとしても領土の正式な処分は講和条約であるサンフランシスコ平和条約によるべきである。

(注2)国際司法裁判所は西サハラ事件での勧告的意見で19世紀後半においては社会的および政治的な組織を持つ先住民の土地は、先住民の首長との合意抜きの狭義の無主地先占は認められない事を表明しています。

国際司法裁判所HP↓西サハラ事件記事参照

http://www.icj-cij.org/icjwww/idecisions/isummaries/isasummary751016.htm

>According to the State practice of that period,

>territories inhabited by tribes or peoples having a social and

>political organization were not regarded as terrae nullius:

>in their case sovereignty was not generally considered as effected

>through occupation, but through agreements concluded with local rulers.

 

しかし、日本は台湾において原住民と「帰順式」をしていたので国際司法裁判所が西サハラ事件勧告的意見で禁じた狭義の無主地先占ではなく、原住民の首長との合意による広義の無主地先占なので、台湾東岸・中央山岳地帯・蘭嶼島を含む台湾全体が第二次世界大戦終結前に完全な日本領になり、第二次世界大戦後の中華民国政府への引渡しとサンフランシスコ講和会議での対日平和条約で日本が台湾・澎湖の放棄をした事により中国(中華民国)による無主地先占が成立し台湾・澎湖は完全な中国(中華民国)領になったのです。

 

(注3) 台北駐日経済文化代表処HPの中華民国憲法第二六条参照

http://www.roc-taiwan.or.jp/law/law3.html

>第二六条 国民大会は、次に掲げる代表を以て組織する。

>一 各県市及びこれと同等の区域は、それぞれ代表一人を選出する。

>但しその人口が五十万人を超えるときは五十万人を増す毎に代表一人を増加選出する。

>県市と同等の区域は、法律で定める。

>二 蒙古選出の代表は盟毎に四人、特別旗毎に一人とする。

> 三 西蔵選出の代表の定数は、法律で定める。

 

とあり、蒙古(モンゴル)や西蔵(チベット)の領有を前提にしてるのがわかる。


2007年2月26日(当初版・2004年12月28日には誤りがあったので訂正)

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

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