(注意)これは、閲覧用ではありません。これは、過去記事保存資料用です。最新版を御覧ください


 放射能雲の存在を示した高崎CTBT放射性核種探知観測所データ

 

 

放射能雲」という言葉があります。別名として、「放射性雲」、「放射性プルーム」ともいうようです。

ドイツ語では radioaktiven Wolke、英語では radioactive cloud または radioactive plume と表記されるようです。

日本では別名の「放射性雲」の「放射性プルーム」の方が学術的に使われているみたいですが、語感としては「放射能雲」の方がピッタリくるようです。

財団法人 原子力安全技術センターのホームページの原子力防災基礎用語集の記事の「放射性プルーム(放射性雲)」の定義には、

>気体状(ガス状あるいは粒子状)の放射性物質が大気とともに煙突からの煙のように流れる状態を放射性プルームという。

 

とありますが、私は上記の定義を若干変更して「放射能雲」の定義を「大気とともに(風とともに)流れる気体状(ガスあるいは微粒子)の高濃度の放射性物質の集団」と定義しておきます。

群馬県高崎市には包括的核実験禁止条約(CTBT)の国際監視制度の監視施設として放射性核種監視観測所があります。そこで観測された大気環境中の放射線元素の放射能濃度測定データが公表されています。

(「財団法人日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター」ホームページの資料参照)

http://www.cpdnp.jp/pdf/110330_Takasaki_report_Mar27.pdf

福島第一原発から約250km離れた群馬県高崎市の放射性核種監視観測所にはピーク時の3月20日 15時55分から 3月21日 15時55分の間に非常に高濃度の放射性元素が検出されたのです。上記のデータを見ると、「放射能雲」通過前の3月12日 15時55 分から 3月13日 15時55分の放射能濃度と比べて六桁ほど高く、「放射能雲」の通過後の3月16日 15時55分 から 3月17日 17時11分には三桁ほど放射能濃度が低下しています。驚異的なピークの存在がわかります。

もちろん、これは福島第一原発から約250km離れた群馬県高崎市で観測された薄まった「放射能雲」なので福島第一原発周辺ではこれよりはるかに高濃度の「放射能雲」が通過したはずですが「放射能雲」が福島県内で発生・通過したであろう3月14日・15日の福島県内の大気環境中の放射性元素の放射能濃度データが公表されていないのでわかりません。(公表されている福島県内の3月14日・15日のデータは空間放射線線量値です。)

おそらく、福島県の阿武隈山地より東の「浜通り地方」で「放射能雲」通過中は高性能マスクを着用せずに外気を吸い込めば多量の放射性物質を吸い込んだはずです。

 

尚、茨城県つくば市にある高エネルギー加速器研究機構も大気環境中の放射線元素の放射能濃度測定データを公表(注)していますが、常温で固体の粉塵の放射線元素の放射能濃度測定データで放射性気体キセノン133が無いのみならず固体の粉塵中で最も放射能濃度の高いヨウ素135のデータが無いという問題点があります。

ちなみに、文部科学省は放射性気体のキセノン133の大量放出が発覚すると地震後の原子炉の停止状態が不完全だった事の証拠となるので千葉県にある日本分析センターに委託して得た大気環境中の放射性元素の放射能濃度データを隠しています。

(下記の私のホームページ記事参照)

http://masanori-asami-hp.web.infoseek.co.jp/Fukushima1NPP/radionuclide.htm


(注) 高エネルギー加速器研究機構ホームページ参照

http://www.kek.jp/quake/radmonitor/index.html


2011年4月1日

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浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp