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 現行のバンカーバスターでは核弾頭型でも北朝鮮の大深度地下壕に通用しない

 

    地下防空施設攻撃用の核弾頭型バンカーバスター ( 核弾頭型地中貫通爆弾 ) で北朝鮮の首都の平壌の防空壕を破壊できると考えている者が多いようだが、北朝鮮の首都の平壌の大深度防空壕は現行の核弾頭(B61)型バンカーバスターでも破壊できない可能性が高い。現行の核弾頭は水爆であっても臨界量未満の多数のプルトニウム塊を同時に爆縮させて起爆させるため通常弾頭に比べデリケートであり、核弾頭型バンカーバスターの地表への激突の衝撃への耐性は通常弾頭型バンカーバスターより劣り、(せいぜい地下6m程度の)比較的に浅い場所で起爆する (注1) 。そのため核爆発の火球が地表に出て爆発のエネルギーの大部分は地下ではなく大気中に放散される。そのため、10キロトンの核弾頭型バンカーバスターのB-61 (mod11) (注2) 地下貫通能力は通常弾頭型では最も威力のあるバンカーバスターであるGBU-57 MOP (注3) と同程度で地下100m未満と考えられる。

   ところが、北朝鮮の首都の平壌では一般人でも利用できる地下鉄ですら地下100mと言われている (注4) 。よって、金正恩や北朝鮮軍幹部用の防空壕のみならず重要施設や精鋭部隊用の防空壕も地下100m以深の大深度地下に建設されているはずであり (注5) 、現行の核弾頭型バンカーバスターでは北朝鮮の大深度地下壕に通用しない可能性が高い。

   ただし、特注でメガトン級の核弾頭型バンカーバスターを製造すれば地下300m程度の大深度防空壕でも破壊できる可能性はあるようだ (注6) 。しかし、メガトン級の水爆を地表付近で核爆発させるとビキニ環礁での水爆実験のように水爆の核爆発による高エネルギー放射線によって原子核が励起され放射能化された大量の土砂を巻き上げる事になり、水爆の空中爆発よりはるかに大量の放射性降下物を産出する。更に、アメリカ軍も韓国軍も金正恩の居場所を把握できておらず、有効半径がせいぜい数百メートルの核弾頭型バンカーバスターによって金正恩を確実に駆除するにはメガトン級の核弾頭型バンカーバスターを百発以上使用せねばならず、想像を絶する放射能汚染が起きる危険がある。そのため、特注でメガトン級の核弾頭型バンカーバスターを大量製造して大量使用するという選択肢は非現実的であり、実質的には核弾頭型であろうが巨大通常弾頭であろうがバンカーバスター (地中貫通爆弾 ) による北朝鮮の首都の平壌の大深度防空壕破壊は困難である。この事がアメリカが北朝鮮攻撃を躊躇する大きな理由の一つである。


目次

2017年9月20日

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浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp


(注1) 下記urlの記事

http://sciencesecurity.livejournal.com/9979.html

における Global security org. USA Today より引用された下図参照。

https://ic.pics.livejournal.com/sciencesecurity/11157230/7854/7854_640.jpg

 

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(注2) wikipedia英語版「B61 nuclear bomb」参照。

https://en.wikipedia.org/wiki/B61_nuclear_bomb

 

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(注3) wikipedia「大型貫通爆弾」参照。

https://ja.wikipedia.org/wiki/大型貫通爆弾

 

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(注4) 下記のCNN記事 [ 地下100メートルの北朝鮮――女性写真家が見た「世界で最も謎めいた地下鉄」 ] 参照。

https://www.cnn.co.jp/travel/35093993.html

 

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(注5) 下記のDailyNK記事 [ 平壌に深さ300mのトンネル…金正日の逃走用 ] 参照 。

http://dailynk.jp/archives/7629

 

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(注6) 下記urlの記事

http://sciencesecurity.livejournal.com/9979.html

における Global security org. USA Today より引用された下図参照。

https://ic.pics.livejournal.com/sciencesecurity/11157230/7854/7854_640.jpg

 

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