[臨時的]補遺:原子力発電を支持する電力中央研究所論文の地学的・根本的欠陥

 

2年前に作成したHPの更新作業が遅れているので、その後に気付いた電力研究所の井上大栄らの論文の純地学的な根本的欠陥について述べます。井上大栄の論文には文系の方でもわかるウソ以外に純地学的な根本的欠陥も存在するのです。

また、電力中央研究所・井上大栄論文には古文書や統計面のウソ以外に純地学的にも根本的欠陥があります。その純地学的な根本的欠陥を以下に示します。

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井上大栄 他(2002)「地震」第54巻p.557-573のFig.10.

には、花崗閃緑岩(granodiorite)の基盤岩に、玄武岩(basalt)の薄い岩脈が貫入していますが、その玄武岩(basalt)の薄い岩脈中に断層(fault)があります。もし、仮に、左右の花崗閃緑岩(granodiorite)の基盤岩の上面の「段差」が最終断層運動によって生じたなら、それ以前には左右の花崗閃緑岩(granodiorite)の基盤岩の上面の高さが一致し、そのため、断層(fault)より左の玄武岩(basalt)の薄い岩脈の左半分が突き出た格好になっていたという不自然な事になり矛盾です。

つまり、「段差」は最終断層運動によって生じたものではなく、差別侵食によって生じたものである事がわかります。活断層であるかどうかすら怪しいものです。井上大栄 他(2002)は、「段差」が最終断層運動によって生じた事を前提としてC14分析をしているので、根本的に間違っています。

そして、電力研究所・井上大栄は、その虚偽の結果により、別の論文で原子力発電所の安全性を主張し、原発立地時並みの調査をすればM7クラスの地震を起こす活断層を事前に予測可能としています。問題は、井上大栄のウソ論文等が根拠になって、原子炉の耐震基準が立地場所に活断層が発見されない場合に甘いので、現在の原子力発電所にはM6.5の直下型地震までしか耐えれない原子炉施設が大半を占める事です。

 

2006年3月25日

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

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