(注意)これは、閲覧用ではありません。これは、過去記事保存資料用です。最新版を御覧ください


(注意): 以下の記述に私は責任を持てませんので、国 (政府) や御住まいの地方自治体の指示に従ってください。


 

 いかなる範囲まで疎開すべきか

 

   疎開範囲を広く取れば取るほど安全性は増すが、混乱や経済への悪影響も大きくなる。疎開区域の面積は疎開半径の二乗に比例するので、広範囲の強制避難区域の指定は困難であろう。そのため、疎開せねば核爆発時に物陰に身を隠す等の簡易な危険回避行動だけでは死亡の危険が極めて高い区域を「強制避難区域」とし、屋外で物陰に身を隠さない場合は死亡の危険が極めて高い区域を「準強制避難区域」とし、簡易な危険回避行動の訓練を前提とし住居等の状況を総合的に勘案した「免許制残留区域」に区分する疎開案を私は提唱する。尚、疎開区域の策定に当たっては単に在日米軍基地からの距離だけでなく、地形や想定される爆発規模や核攻撃を受ける危険性や疎開による混乱や経済への悪影響も考慮せねばならない。

 

    岩国基地・佐世保基地は北朝鮮に近いので重量3トン以上の広島級原爆 ( 15キロトン ) や長崎級原爆 ( 22キロトン ) のような旧式の原爆の弾頭で攻撃される可能性があり、疎開区域は22キロトン程度の爆発規模を前提に策定せねばならない。特に、岩国基地はミサイルがコースをそれても平壌に落ちる心配がないので佐世保基地より狙われやすく、しかも、周辺に民家が少ないので北朝鮮が核ミサイルを保有していればデモンストレーション目的で使用されやすい。

   三沢基地・横田基地・横須賀基地・厚木基地・嘉手納基地は北朝鮮と距離があるので核攻撃されるとしても弾頭重量が1トン未満の核弾頭が使用される可能性が高く、爆発規模が約10キロトン程度の核弾頭が使用される可能性が高いと思われる。北朝鮮が攻撃する在日米軍基地を選ぶに当たって、基地周辺に民間住宅や民間施設の密集する日本の首都圏の基地を攻撃すると報復として平壌が無差別爆撃や核攻撃の対象にされやすいので避ける傾向があるかもしれない。また、嘉手納基地への核攻撃の動機は嘉手納基地から北朝鮮に大型爆撃機が出撃するか否かによって大きく異なる。

   尚、地形や建造物や対策によって危険性は大きく異なるので、単に基地からの距離だけでなく地形や建造物や対策も考慮に入れ個別審査すれば強制避難区域は狭められるが、個別審査には時間がかかる難点がある。

   

   一般論として、爆発規模が長崎級原爆 ( 22キロトン ) 程度の場合、放射線被爆によって統計的に有意に寿命減少が想定される距離や火災による全焼が起き易い距離は爆心地から約2.2km程度である。しかし、爆風被害が想定される範囲は非常に広い。さえぎる物が無ければ、爆心地から4km程度までの屋外では成人男性でも爆j風によって死亡または重傷を負う可能性が高い。

   爆発規模が10キロトン程度の場合は、過去のデータが無いので、広島原爆や長崎原爆の被害データを基に、熱線・放射線の強度が概ね爆心地からの距離の二乗に逆比例すると仮定し、爆風の強度が概ね爆心地からの距離の三乗に逆比例すると仮定して算出する事にする。この前提で、放射線被爆によって統計的に有意に寿命減少が想定される距離や火災による全焼が起き易い距離は爆心地から約1.65kmである。そして、爆風被害は、さえぎる物が無ければ、爆心地から約3.5km程度までの屋外では成人男性でも爆j風によって死亡または重傷を負う可能性が高い。

 

   そのため、地形にもよるが、爆発規模として長崎級原爆 ( 22キロトン ) 程度の攻撃の可能性が相当程度ある岩国基地・佐世保基地では、基地の境界から2.2km以内では地下核シェルター・防空壕・堅固な地下施設・トンネルに逃げ込まない限り、物陰に隠れても死亡の危険が非常に高いので、原則として強制避難区域とすべきと私は考える。また、ミサイルの飛行誤差を500mと考えると基地の重要施設から2.7km以内も物陰に隠れても死亡の危険が非常に高いので、原則として強制避難区域とすべきと私は考える。しかし、この区域外でも基地側に面した部屋で寝ていれば、たとえ雨戸を閉めていても衝撃波で窓ガラスが割れて破片によって重傷または死亡する危険がある。そのため、基地の境界から4km以内を準強制避難区域に指定すべきと私は考える。

   爆発規模として10キロトンの核弾頭による攻撃の可能性が高い三沢基地・横田基地・横須賀基地・厚木基地・嘉手納基地では基地の境界から1.65km以内では地下核シェルター・防空壕・堅固な地下施設・トンネルに逃げ込まない限り、物陰に隠れても死亡の危険が非常に高いので、原則として強制避難区域とすべきと私は考える。また、ミサイルの飛行誤差を500mと考えると基地の重要施設から2.15km以内も物陰に隠れても死亡の危険が非常に高いので、原則として強制避難区域とすべきと私は考える。しかし、強制避難区域決定に当たっては可能性が低いものの爆発規模として長崎級原爆 ( 22キロトン ) 程度の攻撃の可能性も考慮すべきで、基地の境界から2.2km以内と基地の重要施設から2.7km以内も強制避難区域に指定するのが望ましいと私は考える。しかし、この区域外でも基地側に面した部屋で寝ていれば、たとえ雨戸を閉めていても衝撃波で窓ガラスが割れて破片によって重傷または死亡する危険がある。そのため、基地の境界から3.5km以内を準強制避難区域に指定すべきと私は考える。

   さらに、核爆発直前に物陰に隠れる訓練や基地側の部屋の窓ガラスの危険性に注意する事や火災の避難の訓練や家屋や部屋の状況や窓ガラスの補強や飛散防止対策及び避難行動を採り得る能力等を総合的に勘案して、長崎級原爆 ( 22キロトン ) 程度の攻撃の可能性のある岩国基地・佐世保基地では、爆風を遮る山が無ければ基地の重要施設から半径20km以内を免許制残留区域に指定するのが望ましいと思われる。爆発規模として10キロトンの核弾頭による攻撃の可能性が高い三沢基地・横田基地・横須賀基地・厚木基地・嘉手納基地の場合は、爆風を遮る山が無ければ基地の重要施設から半径15km以内を免許制残留区域に指定するのが望ましいと思われる。


要約:

   長崎級原爆 ( 22キロトン ) 程度の攻撃の可能性が相当程度ある岩国基地・佐世保基地では、原則として、基地の境界から2.2km以内と基地の重要施設から2.7km以内を「強制避難区域」とし、基地の境界から4kmを「準強制避難区域」に指定すべきと私は考える。また、爆風を遮る山が無ければ基地の重要施設から半径20km以内を「免許制残留区域」に指定するのが望ましい。

   爆発規模として10キロトンの核弾頭による攻撃の可能性が高い三沢基地・横田基地・横須賀基地・厚木基地・嘉手納基地では、原則として、基地の境界から2.2km以内と基地の重要施設から2.7km以内を「強制避難区域」とし、基地の境界から3.5km以内を「準強制避難区域」に指定すべきと私は考える。また、爆風を遮る山が無ければ基地の重要施設から半径15km以内を「免許制残留区域」に指定するのが望ましい。


参考記事:

 

長崎原爆資料館ホームページの『原爆の威力』の記事

岩国原爆と戦争展を成功させる会のホームページの『原子爆弾・被害』の記事

目次

2017年5月23日

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浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp