(注意)これは、閲覧用ではありません。これは、過去記事保存資料用です。最新版を御覧ください


 登録NGSデータの分析によるトリソミー指摘に対する疑義

 


参考資料

日経サイエンスの号外記事・[STAP細胞・元細胞の由来 論文と矛盾]

http://www.nikkei-science.com/wp-content/uploads/2014/06/20140611STAP.pdf

 

NCBIのサイトで登録されたSTAP細胞関連のNGSデータ

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sra/?term=SRP038104


日経サイエンスの号外記事・[STAP細胞・元細胞の由来 論文と矛盾]には下記の疑義があります。

 

(1)号外記事のp.1右上の図によれば、当該STAP細胞のX染色体は図中で赤色で示される129系統で、Y染色体が図中で青色で示されるB6系統のため、当該STAP細胞のstrainは「129B6F1」となるはずです (注1) 。

ところが、NCBIのサイトでのSTAP細胞関連のNGSデータの登録でのSTAP細胞を示す「Low pH treated CD45 positive Cells(弱酸処理したCD45陽性細胞)」の個別サンプルのデータのstrainは、全て「C57BL/6 x 129/sv」すなわち「B6・129」であり、日経サイエンスの号外記事と当該細胞を採取したマウスの親の性が逆です。

NCBIの「Low pH treated CD45 positive Cells(弱酸処理したCD45陽性細胞)」のサンプル・データのurlは下記のとおり。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/biosample/SAMN02393430

>strain C57BL/6 x 129/sv

 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/biosample/SAMN02393436

>strain C57BL/6 x 129/sv

 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/biosample/SAMN02393448

>strain C57BL/6 x 129/sv

 

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/biosample/SAMN02393449

>strain C57BL/6 x 129/sv

 

(2)少なくとも、germline transmission確認されたマウスはトリソミーではないはず。

germline transmission確認したとarticle論文にあり、そのマウスの写真も載ってます。

article論文Fig.4e参照。

http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/fig_tab/nature12968_F4.html

 

(3)kaho氏(遠藤高帆氏)のトリソミーの主張はNGSのmRNAデータによるものでmRNAは状況によって発現量が大幅に異なります。同じ核酸の分析でも決定的なDNAの分析とは全く証拠としての価値が異なります。

 

(4)[モザイク型トリソミーの可能性について]

 

小保方はNCBIへのNGSデータの登録では、(STAP幹細胞は保存していた物を使用したと仮定すれば)NCBIへのNGSによるSTAP細胞データの登録ではSTAP幹細胞の作成が不要のためSTAP細胞作成で通常は数匹使用する仔マウスの解体を1匹だけにした可能性があります。実験動物を不要に解体しないのが良識ですし、小保方に手抜きの習性があるからです。

よって、たまたま解体した1匹の脾臓のCD45陽性細胞の8番染色体だけがトリソミーだったなら症状の軽いモザイク型トリソミーだった可能性があり、人間の子供でもモザイク型8番トリソミーは生きて生まれる事が多いです (注2) 。

 

日経サイエンスの号外記事・[STAP細胞・元細胞の由来 論文と矛盾]

http://www.nikkei-science.com/wp-content/uploads/2014/06/20140611STAP.pdf

>8番トリソミーのマウスは通常生まれないが,生物に「絶対」はない。

>元細胞を取ったマウスの中に,これまで知られていなかった8番トリソミーの

>マウスがいた可能性も完全には否定できない。

>だが仮に5匹のうち1匹に8番トリソミーがあったとしても,

>8番染色体はB6系統のものが5本,129系統のものが6本になり,

>SNPの比率は5:6になる。

>今回の解析では,SNPの比率は1:2だった。

>STAP細胞全体で染色体の数の比は1:2,

>つまりこのSTAP細胞を作っている細胞すべてに

>8番トリソミーが生じていたことになる。

 

(5)いくら小保方でも、キメラ・マウス作成の必要の無い単なるデータの登録で、しかも、「STAP細胞」名目でなく、「Low pH treated CD45 positive Cells(弱酸処理したCD45陽性細胞)」名目なので多能性細胞でない事が判明しても失敗作だったとの言い訳可能なので、わざわざ不正発覚の危険の高いESのみで登録したか疑問です。少し知恵があれば、イカサマするなら死んで緑の蛍光を発するT細胞も混ぜたはずです。 その方がTCRに対応するmRNAも混じったはずだからです。

 

(6)kaho氏(遠藤高帆氏)のトリソミーの主張と同じ日に、kaho氏(遠藤高帆氏)と別個に独自に東大の2グループも同じ結果を出したとの記述がNHK「かぶん」ブログありました。

http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/190193.html

>この分析を行ったのは、横浜にある理化学研究所統合生命医科学研究センターの遠藤高帆上級研究員らと

>東京大学の2つのグループで、それぞれ独自に行いました。

 

これは、できすぎた偶然であり、確率が千分の一以下の偶然でしょう。しかも、東大の2グループの代表者名は今でも不明です。

 

(7)kaho氏は「kahoの日記」で、「内部では実名でこのような活動をしており,隠れているつもりはありません」 (注3) とか「今日までこの解析を行うにあたって私は一切の圧力も感じませんでした」 (注4) と述べており、理研中枢から言論統制は無かったにもかかわらず、STAP細胞の不存在が確定的になった6月になって実名で登場しており、勝ち馬に乗じて不完全な成果を発表してるのではあるまいかとの疑念を私は感じています。


(注1) [マウスおよびラット系統の命名法に関する規則と指針]p.5参照

http://www.jalas.jp/pdf/iczn.pdf

 

(注2) nnnaaannnaaammmiiiのホームページの「第8染色体トリソミー症候群」参照。

http://www.geocities.jp/nnnaaannnaaammmiii/linktor

 

(注3) 下記の「kahoの日記」の記事「STAP細胞の非実在について#2」参照

http://slashdot.jp/journal/578550/STAP細胞の非実在について#2

 

(注4) 下記の「kahoの日記」の記事「STAP細胞の非実在について#5」参照

http://slashdot.jp/journal/578550/STAP細胞の非実在について#5


2014年6月28日

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

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