[台湾への提言] 「現状維持」策は人民解放軍に軍備増強の時間を与えるだけ

 

台湾の民衆の多くは「現状維持」を望んでいると言われています。しかし、それは愚かな事だと私は思います。なぜなら、「現状維持」は本土中国の人民解放軍に台湾侵攻のための軍備増強の時間的余裕を与えるだけだからです。

もし、北京政府が今後も好調に経済成長を続ければ2020年ごろには圧倒的経済力と軍事力を持つ事になります。台湾本島を簡単に制圧できる十分な軍事力を持てば台湾が「中華民国」と称して政治的に独立状態にあるのを放置するとは考えられません。実際、2000年には「統一交渉を無期限に拒否した場合」 (注1)にも武力行使すると明言していました。今回の 「反国家分裂法」 はアメリカの反対(注2)により「統一法」でなくなったのでその条件は盛り込まれないと予想されますが、将来、条件変更や法律名は本土中国の国内法(注2)なのでいくらでも変更される危険はあります。尚、北京政府の言う「無期限」とはアメリカとの密約がなければ北京政府が台湾を簡単に制圧できる軍事力を保有する2020年ごろまでと考えるべきであり、また、たとえアメリカとの密約があっても2030年ごろまでと思われます。

そして、将来、台湾を簡単に制圧できる軍事力を本土中国の人民解放軍が保有すれば、仮に「一国二制度」を認めたとしても非常に限定的なものになるでしょう。場合によっては完全統一になるかもしれません。

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(注1) 下記の中華週報 1945号 (中華週報社HP)参照。

http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/1945/108.html

下記の2004年12月18日付け Yahooニュース・産経新聞ニュース参照。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041218-00000012-san-int

(注2) 下記の2004年12月19日付け infoseeknews・共同通信ニュース参照。  http://news.www.infoseek.co.jp/world/story.html?q=19kyodo2004121901002038&cat=38

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2004年12月26日

浅見真規 vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp

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