[注意]: 以下の記事は北朝鮮の独裁者・金正日死亡以前の記事です。


 18. アメリカのミサイル防衛技術は有効か?

 

アメリカは敵の弾道ミサイルを迎撃できると主張している。

 

たしかに、加速中の弾道ミサイルは破壊できる技術をアメリカは、ほぼ開発したと考えられる。加速中の弾道ミサイルは、遅く、しかも多量の熱を出すので赤外線探知しやすく、しかもロケット・エンジン部分の切り離し前なので的が大きいだけでなく、決定的なのは大量の燃料があって、迎撃ミサイルの1g程度の微小な破片が当たっただけで誘爆するからである。北朝鮮が海岸付近から発射しアメリカ海軍のイージス艦が北朝鮮沿岸に待機していれば、この方法で北朝鮮の弾道ミサイルは迎撃できる。

 

しかし、演習ではともかく、本番の「虎の子」の核ミサイル発射時に北朝鮮が、そのようなマヌケた事をされるとは考えにくい。だとすれば、アメリカ軍が確実に本番の核ミサイルを迎撃するには、加速が終わって弾頭だけになった弾頭を破壊する技術を持たねばならない。

 

ところが、加速が終わって弾道だけが弾道軌道に乗ると燃料がないので、迎撃ミサイルの1g程度の微小な破片が当たっただけでは破壊できない可能性がある。もちろん、相対速度が毎秒数キロメートルにもなるので100g程度の破片が正面から当たれば一昔前の戦車砲弾直撃並みの破壊力に相当し、北朝鮮の弾道ミサイルが防御装甲を持たねば、100g未満の破片で破壊できるだろう。この場合、迎撃ミサイルは千個以上の数十g程度の破片を放出して弾幕を作れば北朝鮮の弾道ミサイルを破壊できるので、現時点のアメリカの技術でも迎撃可能と思われる。

しかし、北朝鮮が小型核弾頭を開発しミサイルのロケットの搭載能力に余裕ができ、ロシアから軽量で効果的な防御装甲技術を盗んで防御装甲を施せば、それを迎撃するには迎撃ミサイル本体の体当たり、または、100gを超える相当大きな破片を命中させねばならなくなるだろう。

しかし、迎撃ミサイル本体を体当たりさせるのは極めて困難であり、また、本体の1%程度の比較的大きな破片を命中させる方式でも迎撃ミサイル本体を体当たりさせる場合より迎撃確率を100倍程度にできるが、高速ミサイルのCEP(半数必中界)を10m未満にできる非常に高度な誘導技術が無ければ迎撃確率はかなり低いものとなるだろう。


上記は、Yahoo Japan掲示板・台湾カテゴリ・[ 北朝鮮問題と台湾が見捨てられる危険 ]トッピックに私が true_masanori_asami というハンドル・ネームで2007/ 1/10に投稿した記事・No.18、No.19、No.20を基に再構成したものである。

 

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浅見真規 ( vhu2bqf1_ma@yahoo.co.jp  )